5月24日
境内は、パラパラと雨が降っていた。
いつものように階段を上り、いつものように参拝をして、いつものように社務所へ行く。
いつもと違って神社は静かで、いつもと違って扉は開かず、いつもと違ってアカリはいない。
窓から中の様子を覗こうと思ったが、カーテンが閉じているし、礼儀もなっていない。
先週の時点でこうなることは分かっていた。彼女の仮面の下を見たら、もう彼女とは会えないと、どこかでそう直感していた。
「アカリ?」
扉に手をかけるも、当然施錠されており開かない。
それならば、これ以上ここにいても仕方がないはずだ。それに、仮に開いたとして勝手に社務所内に入るのはいかがなものか。
ではこのまま何もせずに帰るのか?ここで何ができる?
アカリのこと、そしてこの神社のことを考えた俺はリュックから授業で使っているノートを一冊取り出した。一番後ろのページを丁寧に破り、社務所の軒下にしゃがむ。ボールペンを取り出し、ノートを下敷きにして、文章を綴る。
少し暗くて文字が見えにくいし、この体勢で書くのも難しい。それでもできるだけ読みやすいように、綺麗な文字で。
やがて書き終えたそれを細長く折り、ノートはリュックにしまう。
以前、アカリが『通行札』を渡してくれた授与所へ行く。手紙はペンに結び、風に飛ばされないように置く。通行札を渡してくれるアカリはいない。
また来週。
例年より一足早く梅雨がやってきましたが、お変わりありませんか。晴天が待ち遠しいですね。
先日雨の折、友人にタオルを借りました。その友人もきっと雨に悩まされていることでしょう。5月31日、月曜日の放課後、借りたタオルを返そうと思います。場所は
雨ばかりですが、風邪などひかぬよう、ご自愛ください。
鬼塚粋
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