第2話
<ライキとサリルは、ランティアの部屋を出て、自分達の部屋に入った>
「なあサリル」
「どうしたの?ライキ」
「なんかあの映像を見てから、心臓がドキドキしてるような気がするんだ。
サリルはどうなんだ?」
「僕もだよ。
でもそれは初めてあったあの時と一緒でしょ?」
「そうなんだよな。
やっぱり恋なのかな?」
「だよね。
でも同性なんだよね」
「だよな。
成人になるまでは分かんないしな」
<同性のルンベルを好きになっているライキとサリル。
この恋は叶うのか。
新たな恋を見つけるのか>
<ルンベルと初めて会った日>
「バパ今日会う人って誰?」
「1回は会った事あるんだよね?」
「産まれたての時にな」
「そういや母さんは?」
「エイルか?
エイルはまだ仕事中」
「バパは仕事終わらせたの?」
「終わらせているよ。
エイルは元々勉強系が苦手だからな」
コンコン
「ランティア居るか?」
「入ってきてくれ」
<ルンベルが扉を開けた瞬間。
それは、ルンベルの姿が見えた時だった。
ライキとサリルは恋をした>
何でだ…。
何で…何で初めて見る人なのに、心臓がドキドキするんだ。
何でなんだろう…。
何で…何で初めて見る人なのに、心臓がドキドキするんだろう。
「初めましてって言った方が良いのかな?
初めまして。
エイラ·ルンベルって言います」
「初めまして。
ガルガ·ライキだ」
「初めまして。
ガルガ·サリルです」
聞いていた通り。
ライキはサイル似。
サリルはマリル似だな。
「ランティアは久しぶりだな」
「会って居なかったからな。
通話だけは寂しいんだからな?」
「そうか?俺はなんとも思っていない」
「そんな…そんな言い方辞めてくれ!」
「そういや…何で呼んだ?」
「そうだよ!パパ!何で会うの?」
「そうですよ!父さん!何で会うの?」
「会って欲しいなって。
ただそれだけ!」
ランティアは何を考えて居るんだろうな。
だが…2人を目にした瞬間…。
心臓がドキドキと動いたんだ…。
成人していない子に恋をしてしまうなんて…。
1週間後に、小学1年生になる子なのに!
俺はショタコンか?
それか…あの2人に似てるからなのかな…。
<3人が初めて?会い。
挨拶が終わった瞬間扉が強く開いた>
「ルンベルー!久しぶりー!」
<扉を強く開けたのはエイルだった。
そしてそのまんま、ルンベルの元に走りだし、ルンベルに抱き付いた>
「ちょ、エイル!?」
「ルンベル何してるんだ!
エイル何してるんだ!」
「えー。
だって久しぶりに会うんだよ?
仕方ないじゃん!」
ま、ランティアごめんねー。
ふふふ。
ランティアに見せつけじゃーい!
ルンベル!エイルぐらい払えよ!
何で受け入れてるんだよ!受け入れるなよ!
エイル羨ましいぞ!僕だって抱き付きたいのに!
「ママ仕事終わった?」
「母さん。
父さん以外に抱き付いていいんですか?」
「いいの!いいの!
ルンベル久しぶりに王城来たんだし、何か映画とか見ていかない?」
「そうだな。
ライキとサリルがハマってるアニメの映画だ。
ルンベルも知ってる作品だろ?」
「あの作品は知ってるぞ」
「え!観たい!観たい!」
「え!観たい!観たい!」
「よし!じゃあ観るぞー!」
「おー!」
「おー!」
<エイル、ライキ、サリルは、ランティアの部屋を出ていった>
「なあランティア」
「どうしたの?ルンベル」
「映画みせてなかったのか?」
「映画館では観たよ?
DVDでは観させてないね。
勉強が必要でさ」
「王家だからか。
勉強は少しだけにしとけよ?」
「分かってるよ」
「何であの2人に合わせた?」
「似てるだろ?あの2人に。
生まれ変わりじゃないかって、驚いたんだよ」
「親のお前に言うのもあれだが…。
何故か心臓がドキドキと動くんだ…。
あの時の2人を見ている気がするんだ…。
忘れたいあの記憶も思い出す。
俺はもう…あの2人を見たくない」
「ごめんな…会わせて。
だが、お前も壁を乗り越えろ。
乗り越える日まで俺は待っている。
映画観に行くぞ!」
「そうだな」
<何故ここをライキとサリルに見せなかったのか。
その真相は神しかわからない事。
生まれ変わりなのか。
生まれ変わりじゃないのか>
<ランティアが、自分の部屋を出ていった時だった>
「あら?ランティアどうしたの?」
「エイルか。
ガルガ様が来ていてな」
「どう?ルンベルは来てくれるの?」
「やっぱり来てくれないらしい」
「そうか。
やっぱり来てくれないのね。
それで、なんで自分の部屋を出ているの?」
「何故ルンベルがこうなったのかの、映像を見るらしいからな」
「私達にとって思い出したくない記憶だからね」
「ああ。
取り敢えずエイルの部屋に行っていいか?」
「良いわよ。
壁越しでも聞こえるもんね」
<そして今の時間に戻る>
コンコン
「ガルガだ。
入ってもいいか?」
「大丈夫ですよ」
「2人は自分の部屋に戻ったぞ」
「そうですか…。
もう中学生か…」
「2人はルンベルと付き合うのかな?」
「それだと、僕は安心するけどな。
そういえば、何でガルガ様がエイルの部屋に?」
「2つ理由が会ってな。
1つ。
ランティアに、部屋戻っていいぞって言いに来た。
2つ。
明日の夜、ルンベルを無理矢理に連れてくる!」
「ガルガ様!?
ルンベルを2人に会わせるつもりですか?」
「ランティアだって分かってるはずだろ?
ルンベルにも、壁を乗り越えて貰わないといけない」
「ですが…」
「ランティア。
ルンベルだって分かってるはず」
「そう…だな…。
ガルガ様宜しくお願いします」
「任せろ!」
<翌日の夜>
うるさい…気持ちよく寝ていたのに…。
そうか…始業式が今日だったのか。
<ガルガ国では、始業式と卒業式が始まる日に、国全体でパーティーをする>
朝に寝とけばよかった…。
どうしよう…アニメでも観るか。
パーティーに何て俺には関係無い。
お前らとも喋りたいよ…。
「やあ!ルンベル!」
「ガルガ様!?何で勝手に家に入ってくるんですか!?」
「別に困らないだろ?」
「犯罪ですよ?」
「この国の神だぞ?」
「なんですか?その返せない言葉。
でも…それでも犯罪ですよね?」
「細かい事は気にするな!それじゃあ行こうか!」
「行こうか!ってなんですか?」
<ガルガはルンベルの肩を触り、とある言葉を言った>
「テレポート」
「テレポート!?ガルガ様!?」
<ルンベルは驚いても意味はない。
もうテレポートの目的地に着いたのだから>
「ルンベルー!」
「ルンベルさんー!」
<テレポートしたのは、王城の中だった。
そして、ライキとサリルは、ルンベルに飛び付き抱き付いた>
「ライキ、サリル、久しぶりだな」
「何年も会えなかったんだぞ!」
「そうです!そうです!」
全然離れる気は無いみたいだな。
左右に抱き付いているから、一歩も動けない!
「人気者だなルンベルは」
「ランティアも抱き付きたいんじゃないの?」
「何言ってるんだエイル!」
「本当の事じゃない?」
「何話してるんだ!助けてくれ!ランティア!エイル!」
あ…ルンベルに言うの忘れてた…。
まあ…いっか!
「ランティア」
「どうした?」
「ルンベルに言ったの?
ライキとサリルの前で、助けては駄目だって」
「言ってないぞ?」
「パーティーの続きしましょうか」
「そうだな」
<この声は、ルンベルには聞こえていない。
距離が遠いからだ。
距離が近くて、声が聞こえても意味はない。
ライキとサリルは力が強いため、ルンベルは離す事が出来ない。
グータラ生活を何年もしているのだ。
現役時代より、力は衰えている。
そして、パーティー会場に居る皆が、ルンベルを助けないのは…。
助けた後が怖いからだ。
数年ぶりに会えた好きな人。
ヤンデレに近い2人から、その人を離すと…考えたくもない>
「久しぶりに合えたのに、何で助けお求めるんだ?」
「そうですよ?何で何で何で何で何で何で何で何で何で何で。
助けを求めるんですか?」
「悪い人だ悪い人だ悪い人だ悪い人だ悪い人だ悪い人だ悪い人だ悪い人だ悪い人だ悪い人だ」
え?待って?なんか暗くない?
めっちゃ周りの空気暗いんだけど?
「あの…ライキ?サリル?」
「どうした?」
「どうしたんですか?」
「何か悪い事言った?」
「別にいいよ」
「ちょっと部屋に行きましょ?」
「え?」
待って…なんで体が動かないの?
一様昔は強かったんだぞ?大人だぞ?
グータラ生活を何年もしていて、力は衰えているのは知ってるけど…。
全然払えない!待って?何処に行くの?本当に何処行くの?
<2人は扉を開き、ある所に向かった。
会場の皆はというと…。
「ルンベル頑張れ!」と思っている。
まだ2人は未成年だ。
成人していれば…>
「着いたよ?ルンベル」
「ここは何処なのかな?」
「僕達の部屋だよ?少し楽しい事しよ?」
え?何されるの?
<ライキとサリルは、同性のルンベルが好きなため、腐男子でもある。
そういう知識を持っているが、まだ未成年。
するとすれば…キスだけだろう。
3人が居なくなった会場に戻る>
「やあ!言ってなかったのかい?ランティア」
「伝えるの忘れてたんですよね」
「BL漫画でそういう知識持ってるでしょ?
ルンベルは大丈夫なの?」
「2人はまだ未成年だ。
しようとした瞬間、ワープしに行くつもりだよ」
「それは助かります。
ランティアが言っていれば良かったのだけどね」
「てへぺろ」
「てへぺろじゃないわよ!」
「そうですよ!王!自分だって、師匠と全然会えていないんですから!」
「すまないな、サエルヤ」
<エランダ·サエルヤ
ランティアが王子だった時の、騎士団長の息子。
今は父の騎士団長の座を貰い、騎士団長として働いている。
サエルヤから弟子の申し出があり、ランティアからの推薦もあり、稽古の練習をしていた。
年齢 30歳 職業 ガルガ国の騎士団長
属性 水属性 闇属性>
「いつ師匠と話せるんだろう…」
「すまなかったって」
<急に負のオーラが、楽しい楽しい国の周りを囲んだ>
「サエルヤ。
国民を全員守れ」
「分かっております。
我が王。
自分達騎士団は、愛する国の民を守ります」
「エイルは、3人の所に行っていてくれ。
必ずルンベルを近付けるな」
「分かってるわよ。
何を言われても気にしたら駄目だからね?」
「エイルが言うか?僕は大丈夫だ」
<ランティアは窓から飛び出し。
エイルは3人が居る部屋へ。
サエルヤは騎士団員を集め、国民を助けるために動いている。
ランティアの視点へ>
「やあ!王子!俺達の事を覚えているか?」
「覚えているに決まっているだろ?
パーティーメンバー2人を殺したんだからな!」
「私達は殺してないわよ!
あの2人があそこにいて、弱かったからよ!」
「そうよ!何で皆はうち達が殺したと言ってるの?
あの2人が邪魔だったのよ!」
「何もかも、お前ら勇者パーティーのせいだ!
親からも見放された!僕達のせいじゃない!」
初心者冒険者にある3つの分岐点。
1つ。
学校のルールを守り、森の中まで入らなかった者。
2つ。
学校のルールを破り、自分達のせいで人を死なせた事。
そこからちゃんと反省した者。
3つ。
学校のルールを破り、自分達のせいで人を死なせた事。
そこから反省せず、死なせた人のせいにする者。
こいつら4人は3だ。
「俺達4人は、闇ギルド員になっちまったじゃないか!
だが闇ギルドでは、ナンバーズに入ったんだ!
お前達のせいで、俺達の人生は狂った!
国民は俺達を犯罪者だと言った!
ガルガ国に居る全員を殺してやる!
ガルガ国に居る闇ギルド員全員でな!」
<闇ギルド
国1つ事にナンバーズが、闇ギルド員を管理している。
何処にナンバーズが管理している、闇ギルドがあるのか分からない。
外に何個もの、ブラフギルドが置いてあるから>
「お前らみたいなゴミ全員殺してやるよ!」
「待てランティア。
俺達が殺す」
「ルン…ベル…。
戻ったのか?」
「いや、一時的だよ」
<何故ここにルンベルが居るのか。
何故ルンベルの力が一時的に戻って居るのか
エイルが3人の部屋にたどり着いた時だった>
「ライキ!サリル!ルンベル!良かった…居たのねって…何でキスしてないの?」
「ママ失礼だな!キスしてる途中に、負のオーラに気付いたんだよ!」
「良かった。
じゃあ一緒に教会の方に逃げるわよ!」
<闇ギルド員が国を攻めに来た時、国民は全員教会に逃げる。
王城より教会の方が、人の入れるスペースがあるからだ。
その事は闇ギルド員も知っている為、王城に3割の騎士団が、残りの7割が街でパトロールをしている>
まさか…力の解放条件はこれか?無意識に力を封印した俺。
「ルンベル…魔力が」
「分からないが解放したみたいだ。
それじゃあ3人は逃げていてくれ」
「今の貴方をそっちには行かせれない!」
「知るかそんなもん。
息子2人をちゃんと守れよ?」
「待ってルンベル!行かないで!」
<ルンベルは走った。
メンバーの話を聞かずに。
その足は復讐するために進んでいる。
解放条件はなんなのか、それはまだ知らない。
だが、今のルンベルにはありがたい。
復讐が叶うのだから。
そして今>
「3ヤバイぞ!ルンベルが力を取り戻した!」
「3私達で勝てるの?」
「3うち達で勝てるの?」
「勝てるに決まっているだろ!
何年も力を封印していたんだ!
体が耐えれるわけがない!」
そうだな…だが俺にはこいつらが居る。
(ヒリ!力を貸してくれるか?)
(言われなくても貸してやるぜ!ルンベル!)
「我が名はルンベル」
「お前ら攻めるぞ!魔聖霊を召喚するまでに殺すんだ!」
「僕を忘れないで欲しいね!」
<4人以外に30人以上が隠れていたらしい。
実質今は1対34以上。
数の差では負ける。
だがそれは、ランティアには関係無かった>
「ヒヌ、ヒライ!元の姿に戻れ!
ルンベルを守るぞ!」
「おう!任せろ!」
「任せてよ!」
「我が闇属性の魔聖霊よ。
我が魔力を喰らい、我が体から出てきてくれ!
魔聖霊ヒリ!お前の力を貸してくれ!」
<魔聖霊の召喚は、慣れていないと召喚が遅くなってしまう。
ルンベルは力を封印していたため、久しぶりの魔力を制御がしにくい。
初めて召喚するより、少し時間がかかってしまう>
ヤバイな…久しぶり過ぎてすぐ終わらない。
あと5分だ!あと5分耐えてくれ!
<5分後>
「やっとか…遅いぞ…」
「影縛り」
「う…動かな…」
「どうだ?ヒリの影縛りは。
全く動かないだろ?
金縛りみたいじゃないか?金縛りは息がしにくいんだよな」
「な…何が言いたい!」
「苦しめ」
「影絞り」
「あが…体が…まか…れて…あー!…」
<急に闇ギルド員全員が苦しみだした>
「影絞り。
生物には影が必ずある。
俺は1人が限界なんだがな、ヒリは俺の魔力を喰らうぶん、強くなってしまうらしい」
「ふざ…」
「聞こえにくいしな、3と言われていたゴミの影絞りを解いてくれ。
その代わり、手足が動かせないぐらいの、影縛りを頼む」
「分かったよ。
影縛り」
「はあ…はあ…はあ…」
「どうだ?喋れるだろ?何か言いたがってたみたいだが何だ?」
「神に愛されたから強いんだ!
お前は愛されているから強いだけだ!
神と魔聖霊に愛されただけなんだよ!」
「あ?何も分かっていない人間風情が!
俺の主を認めない人間風情が!」
「あ…息…が…」
「辞めろヒリ。
死んでしまう」
「すう…はあ…すう…はあ…」
「すまないな。
俺の魔聖霊は、神に愛された人間と言う言葉が嫌いなんだ。
何でだろうな?俺は何も分からない。
ランティア、この4人の死刑方法は俺に任せてくれないか?」
「別にいいよ。
他の奴等は貰うよ?」
「俺は別に興味無い。
ヒリ、森の中央に連れて行ってくれるか?」
「ゴミは乗せるなよ?」
「分かってるよ。
魔縛り」
「影縛り解除。
影絞り解除」
「じゃあすぐ戻るよ」
「ああ」
怒らしては行けない人間。
怒らしたらこの世界は壊れる。
怒らしたらこの星は壊れる。
それぐらいの危険人物。
それはルンベルの魔聖霊達にも言える。
あの4人は楽に死ねない。
<森の中央とは、大切な2人が死んだ場所。
森の中央とは、大切な2人を死なせた場所>
「この距離じゃ落下死する。
落下死し無い所まで降りてくれるか?」
「分かってるよ」
<落下死しない場所。
それは地上まで降りる事じゃない。
落下死をせず、落下の痛みを喰らう場所からだ>
「ああああああああああ」
「ああああああああああ」
「ああああああああああ」
「ああああああああああ」
「あああ、そんな叫んじゃってね。
魔物達に食われるぞ?まあ戻ろうか」
「いいのか?無様な死に方をみなくて」
「俺にはそんな趣味はない。
ヒリはみたいのか?」
「ゴミの死にざまは興味無い。
ルンベルとの時間が欲しいんだ」
「そうか、じゃあガルガ国に戻ろう!」
「おー!」
<真夜中の森は、危険というのは皆知っている。
そんな真夜中の森で叫んでしまったら…魔物達の餌になるだけ>
力を全て失った英雄パーティーの1人 かいとも @kaitomo
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