力を全て失った英雄パーティーの1人

かいとも

第1話

「ルンベル起きているか?」


 また来たんですね。

 毎日毎日。

 何故毎日来るんですか。


「起きていますよ、ガルガ様」

「じゃあ開けてくれ!」

「分かりましたよ」


<エイラ·ルンベル

 英雄パーティーの1人。

 パーティーの2人が死んでしまい、自分のせいだと責めた結果、力が封印されているのか使え無くなった。

 戦う事も出来ず、ランクSからEへと降格した。

 ランクEへと降格したため、英雄の称号が剥奪された。

 今までの報酬金が多く、貯金していたため、冒険者の仕事をせず、ニート生活をしている。

 年齢 42歳 職業 冒険者(Eランク)

 使える属性 火属性 水属性 木属性 光属性 闇属性>


<ガルガ

 世界に降り立った神々の1人>


「さ!アニメ観ようか!」

「神が一般人の家に来ていいんですか?

それも毎日」

「一般人か…それは君が言うかい?

神に愛された最強」

「懐かしいですね…その言葉」

「どうだ?力は戻ったのか?」

「戻りませんよ…初級魔法も使えない。

あいつらも顔を出してくれない」

「顔を出してくれないか…あの子達に顔を見せたのかい?」

「見せれるわけないじゃないですか。

神に愛され調子に乗った英雄。

英雄の名を汚した男。

色々と言われている男が、王家に入ってはいけない。

俺はもう…力を必要と思わなくなった。

貯金していた金で、スローライフをさせていただきますよ」

「そうか。

じゃあアニメ観ようか!」

「そこは折れないんですね。

じゃあ何観ます?」


<数時間後>


「じゃあ教会に戻るよ。

それと、あの子達の始業式に来ないのかい?

招待状渡せるぞ?」

「話し聞いてましたよね?

それにあの子達の学校は、貴族や王族や特待生が通う学校ですよね?」

「そうだな。

ルンベルは特待生で通っていたな」

「王族だとしても、俺が行ってしまったら、あの子達は虐められるかも知れない。

行けるわけがないですよ?」

「そうか。

明日は始業式だ、気持ちが変わったら教えてくれ」

「分かりました」


 始業式か…俺はこれからどうすればいいんだ…

 あいつらも出てきてくれないし…

 力を使えないのも、あいつらに封印されてるんだろうな…

 俺は生きてていいのかな…寝るか。


<王城>


「パパ!パパ!明日ルンベル来てくれるかな?」


<ガルガ·ライキ

 ガルガ国の王と王妃の双子の息子。

 双子の弟と真逆で、静かではなく元気いっぱいの子。

 年齢 15歳 職業 学生

 使える属性 光属性 闇属性>


「ガルガ様まだ来ないね。

ガルガ様来ないと俺にも分からないよ」


<ガルガ·ランティア

 英雄パーティーの1人。

 パーティーの2人が死んでしまったが、仲間の死を受け入れないといけないと思い、強く生きている。

 王家の仕事が大変なため、冒険者を引退した。

 冒険者を引退したため、英雄の称号をガルガに返却した。

 年齢 42歳 職業 ガルガ国の王

 使える属性 火属性 光属性>


「またアニメ観てるんじゃないの?」


<ガルガ·サリル

 ガルガ国の王と王妃の双子の息子。

 双子の兄と真逆で、うるさくはなく、物静かな子。

 年齢 15歳 職業 学生

 使える属性 火属性 水属性 木属性>


「正解!」

「ガルガ様!ルンベルは?」

「ライキは元気が沢山あるね。

ルンベルは来ないらしいよ」

「そ…そんな」

「そ…そんな」

「ガルガ様!」

「どうしたんだ?ライキ」

「ルンベルが会ってくれ無い理由教えてください!」

「そうか。

明日始業式か。

ランティアはどうする?

お前にとっても、思い出したくない記憶じゃないか?」

「すみません。

終わったら呼んでください」


<ランティアは王室から出ていった。

 今から流れる映像は、英雄パーティーに取って思い出したくない記憶。

 今から流れる映像は、ルンベル視点が多めに流れる>


 んー!10時…パトロールしに行かないとな。

 この時期は初心者冒険者が増える日だからな。


「ルンベル起きたか」

「おはようランティア」

「朝飯チンするか?」

「冷めた飯は苦手だからな、頼むよ」

「了解。

王子にチンさせるなんて、お前だけだからな?ランティア」

「お前がそうしろと言ったんだろ。

次の王様」


チン


「鳴ったみたいだね」

「ランティア達は食べたのか?」

「食べたぞ。

俺は見ての通り勉強中。

エイルはお出掛け。

マリルとサイルはパトロール中だ」

「そうか。

食べ終わったら俺も行くよ」

「体は大丈夫か?

高ランクミッションを休憩せずに受けたんだ。

何時に寝たんだ?」

「別に言わなくていいだろ」

「言え。

これは王子命令だ」

「5時だったかな。

夜行性の討伐が多かったんだよな」

「お疲れ様。

パトロールは辞めておけ。

いつ体が壊れるか分からないぞ?」

「駄目だよ。

今の時期にパトロールしないと、国が魔物に襲われるかも知れない」


 正義マンと言うかなんと言うか。

 そんなお前だからこそ、神に愛された男と言われているんだろうな。


「どうした?」

「俺も着いていこうかなって」

「お前は勉強があるだろ?」

「勉強より民を守る方が優先される!」

「お前が勉強しないと、この国が心配になる。

体に異変が起きたら戻ってくるから」

「しゃーなしな。

飯冷めるぞ?食わないのか?」

「お前が言うかよ!」


<この時2人は知らなかった。

 こんな幸せの生活が消えるのだと>


「ルンベル!ランティア!」


<慌てたガルガがやってきた>


「どうしたんですか?ガルガ様」

「どうしたんですか?ガルガ様」

「マリルとサイルが死んだ」


<ガルガの口から、疑いたくなる内容が発言された>


 嘘だ…2人が…死ん…だ…

 嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ!

 何で何で何で何で何で何で何で何で何で何で?

 俺が飯を食べていなかったら…

 俺が寝ていなかったら…

 全部…俺のせいだ…俺のせいだ俺のせいだ俺のせいだ俺のせいだ俺のせいだ俺のせいだ俺のせいだ俺のせいだ俺のせいだ俺のせいだ!


「ルンベル!」

「ランティア?」

「取り敢えず落ち着け。

自分を責めるな!」

「責め…る?何を言ってるんだ?俺は責めてなんか…攻めてなんか…」

「2人は今どこに」

「教会の5番の部屋だ」

「ありがとうございます。

ルンベルはどうする?」

「肩を…貸してくれるか?」

「もちろんだ」


<ルンベルは自分を責めている。

 自分が一緒に行っていればと。

 ランティアはルンベルに肩を貸し、教会の5の部屋に向かった>


<神は嘘をつかないと知っているが、嘘だと信じ5番の扉を開けた。

 そこには…白い箱の中に2人が眠っていた>


「マリル…サイル…目を開けてくれ…嘘だと言ってくれー!あー!」


 ルンベル…


<1人は泣き。

 1人は我慢した。

 そんな悲しき1室の扉が開いた。

 そこには、ガルガ、エイル、そして知らない4人が現れた>


「本当なんだね…マリル…サイル…」


<泣く1人の隣で泣いた>


「ガルガ様、そこの4人は誰ですか?」

「ああ…実はな。

この4」


<泣いていた男は、泣くのを辞めて言った>


「その初心者冒険者4人が、森の中央まで行ったんでしょ?」

「ああ…そうだ。

この4人が言いたい事があるらしい」

「俺にはその言葉はいりません」


<ルンベルはそう言い残し、部屋を出ていった>


「ランティアさん、エイルさん、すみませんでした」

「ランティアさん、エイルさん、すみませんでした」

「ランティアさん、エイルさん、すみませんでした」

「ランティアさん、エイルさん、すみませんでした」

「謝りに来てくれてありがとう。

ルンベルには僕が言っておく。

1つ言いたい事があるんだ…」


<その言葉は…遺族が初心者冒険者に言う言葉だった>


 自分が王家だろうと。

 相手が大切な国民であろうと。

 そんなのは関係無い


「お前らは初心者冒険者だろ!

学校で習わなかったのか!

初心者冒険者は、学校で優秀だろうと。

誰よりも魔法が優れていたとしても。

決められた場所まで行くな!

お前ら初心者冒険者の行動で、この国だって壊滅し。

国民全員殺されてもおかしくないんだ!

学校からやり直してこい!

ガルガ様あとはお願いします」

「分かった。

4人は冒険者ライセンスを剥奪。

もう一回学生からやり直しだ!

親御さんにも連絡している。

学校に戻るぞ!」


<ガルガと4人は出ていった。

 そして部屋は4人になった>


「ランティア」

「どうした?」

「泣いていいんだよ?」

「泣く?何を言っているんだ。

俺はもう泣いた」

「嘘は良くないよ?王子だからって関係無い。

泣きたいなら泣けばいい。

私は貴方の妻なんだよ?弱い所見せてくれない?

私とマリルとサイルしか居ないんだから」

「全員女じゃねえか…」


<王子は泣いた。

 親友の前では泣きたくなかった。

 自分は国をまとめる王になるから。

 妻の前では泣く事にした。

 死亡報告を聞いてから、泣くのを我慢していた。

 やっと自分の気持ちを出す事が出来た>


<部屋を出ていったルンベルは、自分の家に着いた。

 ルンベルは家の中に入った瞬間…泣きながら自分を責めた>


 俺が居れば俺が居れば俺が居れば俺が居れば俺が居れば俺が居れば俺が居れば俺が居れば俺が居れば俺が居れば。

 2人は死ななかったのに!

 なんで俺は寝たんだ!体なんて壊れていいだろ!

 壊れたって、昔みたいに魔法で治せばいいじゃないか!

 なんで飯を食べようとしたんだ。

 1日ぐらい食べなくていいだろ。

 なんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんで。

 全部俺のせいだ全部俺のせいだ全部俺のせいだ全部俺のせいだ全部俺のせいだ全部俺のせいだ全部俺のせいだ全部俺のせいだ全部俺のせいだ全部俺のせいだ。


<自分を責める事しかしないルンベル。

 ルンベルの心は壊れていく。

 ルンベルは急に倒れた。

 何故倒れたのか、それは…魔法の封印のせいだ。

 自分を攻める事しかしなかったルンベルは、無自覚に魔法を封印した。

 魔法の封印の解除は、ルンベルすらも知らない。

 何故なら、無自覚に魔法を封印したからだ>


「エイルありがとう。

いっぱい泣けたよ。

ルンベルに言ってくるね」

「分かった」


<ランティアはルンベルの家に向かった>


 ピンポーン


 鳴らしたが…足音が聞こえない。

 生活音もしない。

 家には居ない?なら何処に…

 寝たのか?魔力探知使うか。


「魔力探知」


 居ない?何処に行ったんだ。

 ルンベルが行く所なんて…

 今のルンベルを1人にしたら、国どころか世界を滅亡させる。

 今のルンベルは、この世界で1番の危険人物。

 ガルガ様に聞いてくるか。


<魔力探知をしたとしても意味はない。

 今のルンベルは、世界で最弱の男になっている。

 魔力封印は、1ミリも魔力が使えない。

 体の中に入っていないのだ。

 心臓の奥には、魔力封印の魔力があるが、魔力探知では見つける事が出来ない>


<ランティアは教会に着き、受け付けまで向かった>


「すみません。

ガルガ様は今時間ありますか?」

「ガルガ様ですね。

今日は用事はありません。

今は自分の部屋にいらっしゃいます」

「ありがとうございます」


<ガルラ

 ガルガの付き添いとして、世界に降りてきた天使の1人。

 受け付けとして教会で働いている>


 コンコン


「ランティアか。

入っていいぞ」

「失礼します」

「どうした?」

「実は…ルンベルが自宅に居なくて」

「それは本当か?」

「はい。

魔力探知を使ったのですが、魔力反応がありませんでした」

「そうか…。

ガルサに聞いてみるよ」

「ありがとうございます」


(ガルサ、ちょっといいか?)

(ガルガ様?どうしたんですか?)


<ガルサ

 ガルガの付き添いとして、世界に降りてきた天使の1人。

 ガルガ国の門番として働いている>


(ルンベルは外に出たか?)

(ルンベルですか…。

 外に出しては行けない危険人物ですが、外には出ていないですね。

 どうしてですが?)

(ランティアがルンベルの家に行って、魔力探知を使ったみたいなんだ…)

(まさか!?)

(ああ。

 そのまさかかも知れない)

(それならば、テレパシーしてる場合じゃないですよ!)

(そうだな)


「今からルンベルの家にテレポートする。

手を貸してくれ」

「わ、分かりました」


 なんでルンベルの家に?


<ガルガとランティアは、ルンベルの家の中にテレポートした。

 2人か目にした光景は…>


「ルンベル?…ルンベル…」


 死んでる?

 魔力探知をしても意味はなかった…。

 嘘…嘘だよね?嘘…嘘だと言ってよ…。

 わ…分からないじゃないか!もしかしたら、酔って寝ているかもしれない!


「魔力探知」


<ランティアは分かっていない。

 何度魔力探知を使ったとしても、意味がないと>


 嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ。

 これは何かの間違いなんだ…間違いなんだ!


「ランティア!」


 何かの間違い何かの間違い何かの間違い何かの間違い何かの間違い何かの間違い何かの間違い何かの間違い何かの間違い何かの間違い。

 ルンベルは死んでないんだ!死ぬはずがない!あのルンベルだぞ!


(おい!ランティア!俺達の声は聞こえないのか!)

(ランティア!お願い聞こえて!)


<ランティアは声が聞こえていない。

 大切な親友の姿。

 今の親友は、自殺を考えていてもおかしくないから>


 すまない…ランティア。

 すまない…ヒヌイ、ヒライ、主に少し眠って貰う。


<ガルガはランティアの体に触った。

 触られたランティアは、急に倒れ落ちた>


(何とかガルガ様が、気絶させてくれたみたいだな)

(そうね。

 ランティアは、ルンベルの事になるとヤバイからね)


 困ったもんだ…。

 取り敢えず王城に向かうか。


「テレポート」


<ガルガは、王座がある部屋にテレポートした。

 そのまんま、ルンベルとランティアを抱え。

 ある所に向かった>


 コンコン


「誰ですか?」

「ガルガだ。

今いいか?」

「ガルガ様ですか。

いいですよ」

「すまない。

入りたいのだが、今両手が使えない」

「分かりました」


<ガルガが向かった所は、エイルの部屋だった。

 ガルガの代わりに、扉を開けたエイルは…>


「ガルガ様どうしたんですか?

ルンベルとランティアを抱えて」

「エイルは落ち着いていて嬉しいよ」

「話も聞きたいので、まずは座りませんか?」

「ありがとう」


<ガルガは、何故こうなったのかを話した>


「なるほど。

魔力封印をして、倒れたルンベルを見たランティアが、自殺だと思い込み。

ガルガ様と魔聖霊の話が聞こえず、ガルガ様が気絶させたという事ですね?」


<魔聖霊

 魔聖霊とは、産まれる前の魂と一緒に、宿り体の中に入る。

 宿主の前に必ず現れるのではなく。

 魔聖霊が姿を出したい!と思わせないと会えない>


「そうだ。

ルンベルへの気持ちが無くなったと思ったんだがな…。

まさか無くなっていなかったなんて…」

「しょうがないですよ。

マリルとサイルが死んで、ルンベルが自殺したと思い込んだんですから」

「エイルは、ヤキモチやいたりしないのか?」

「ヤキモチですか?やかないですよ。

そんなランティアだって好きなんですから」

「そうか。

2人とも明日には起きるだろうから、お泊まり用の部屋で寝かしていいか?」

「大丈夫ですよ!」

「ありがとう」


<お泊まり用の部屋

 王城には、男女別々でお泊まり用の部屋がある。

 ルンベルが泊まりに来る時、2人は一緒に寝ている>


<ガルガが眠りについて24時間が経過した>


 ん…ここは?

 王城のお泊まり用の部屋か。

 隣でランティアも寝てるし…。

 てか…


<ルンベルは気付いた。

 自分の体の変化を>


 魔力が1も無い。

 魔力封印か…。

 俺がしたのか、あいつらがしたのか。


(聞こえるか?)


<ルンベルは、自分の魔聖霊に話しなかけた。

 だが、なにも返事は帰って来ない>


 返事は無しか…。

 魔力封印の影響?

 自分で封印した覚えないし、封印の解き方が分からない。

 引退だな…これは。

 魔力があっても、2人は守れなかった。

 もう俺には必要無いもんな…。

 買って読めて無かった、漫画を読もうかな。

 自宅に置く時間無くて、ここにおかせて貰ってたし。


<ガルガが漫画を読んでいる最中に、ランティアが眠りについて24時間が経過した>


 ん…王城の天井…。

 何かを読んでいる音が聞こえる…。

 誰がいるんだろ。

 てか…お泊まり用の部屋じゃん。


<音が聞こえる方に顔を向けたランティア。

 そこにいたのは、自殺したと思っていたルンベルが、漫画を読んでいたのだ>


 ルンベル…。

 僕も死んだのか…。

 僕は何で死んじまったんだよ…。


「僕はなんで死んだか分かるかい?ルンベル」

「は?お前が死んだ?なに言ってるんだ?」

「なに言ってるんだ?って…ここ死後の世界じゃ無いのか?」

「頭大丈夫か?何日前か知らないけど、2人が死んでまだ落ち着いてないのか?」

「え?だって…自殺したんだろ?」

「は?本当にどうした?俺が自殺?するわけないだろ。

あー…魔力封印は覚えているか?」

「魔力封印って、自分自身か、魔聖霊が魔力を封印する事だろ?

あ…もしかして…」

「そのもしかしてだよ」


 なんだ…自殺じゃなかったのか…。

 安心したよ…安心したけど…。


「ルンベル許せないよ」

「自分を責めたのは悪かったな。

ごめん」

「は?謝らないでくれよ…。

お前の事を好き放題に出来ないじゃないか!」

「え?なに言って…」


<ランティアは、自分のベットからルンベルのベットに移動しようとしている。

その時に>


 コンコン


「入ってもいいかな?」

「エイル!お願い来て!ランティアを止めて!」

「エイル!絶対に来るな!」

「終わったら教えに来てねー」

「待って!行かないで!」

「ルンベル。

行っちゃったみたいだね」


<この後の展開はご想像にお任せします>


<お泊まり用の部屋に、エイルとガルガも集まった>


「ルンベル。

魔力封印をした覚えはあるか?」

「いえ。

無自覚か、魔聖霊かと」

「そうか。

じゃあ呼び出しちゃうね!」


<神は、魔聖霊を1匹呼び出す事が出きる。

 だが、それが魔力封印の体から呼び出す場合。

 魔力封印の解き方は教えられない。

 呼ばれる魔聖霊は全員出はなく、1匹だけが呼び出される>


「我が名はガルガ。

ルンベルの体に居る魔聖霊よ。

主人の体から姿を表せ」


<ルンベルの体の回りが、煙幕で隠された。

 煙幕が無くなって姿を表したのが、闇属性のドラゴンだった>


「ヒリが来たのか」

「俺が来たぞルンベル。

ガルガ様が知りたいのは、誰が魔力封印をしたいのかだよな?」

「そうだよヒリ」

「俺らは魔力封印をしていない。

自分を責めたルンベルが、無自覚に魔力封印をした。

これ以外は教える事は出来ない。

それじゃあ俺は戻る」


<ヒリはルンベルの体に戻っていった。

 そして、ライキとサリルに見せる映像は、ここで終わった>


「これが来ない理由だよ。

魔力を使えなくなったルンベルは、ランクSからEへと降格し。

国民からは、色々言われているんだ。

会わなくなったのも、君達と会っていた事が国民にも知られてね。

王家の評判が悪くならないように、君達とも会えなくなった」

「そうなんだ…」

「そうだったんですね…」

「まあ気にするな。

始業式は無理だけど、始業式終わりには、無理矢理連れてくるか」

「やったー!」

「やったー!」

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