第26話 故郷
「どうして分かったの?」
「おじさんは魔法を見破る目を持ってるのさ。そういう生まれでね。狼よりはやく走り、爪と牙で薙ぎ倒す、そういう暮らしをしていたんだ。故郷の森が開発され始めてから、一族は人間社会でも働くようになってね」
日銭を稼げば、パンも食えるし、と騎士は言った。パンが好きなのだ。
「俺達に用事がないなら、地下牢に用があるのかい?」
「特に用はないわ。探し物をしてるだけよ」
「古代の竜の尻尾とか、先帝の聖遺物とか、操りきれなくて途中で閉じ込められた大魔女の胴体とか?」
「それって、この間まで城の相談役をしていた魔女のこと?」
「前半も結構良さそうなこと言ったのに、反応するのはそこなのね」
でも牢番だから入れてあげられないんだ、ごめんねと、ギブは続けた。
「大魔女を首だけにした犯人は、不器用で問題児なんだけど、アレでも姪と、親戚の青少年でね。まぁ向こうの方が騎士の階級的には上司だから業務命令に逆らえないってのもあるんだけど。だから、王が戻られたら収束すると思うし、もう少し待ってもらえないかな?」
マルメイソンは静かに浮かんでいたが、にこりと笑った。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます