第24話 センタク

 キラキラした洗濯物を、人々が不思議そうに干していると、若い魔女が現れた。

「なぁ、変な奴を見なかったか? 魔力探知に異常はないのに、やけに探知の網が伸びたり縮んだりしてるんだ」

「猫でも入ったんじゃないかい」

 人々は適当に答えると、気に入らなかったら私達も首を切られるのかね、おお怖い、と揶揄した。若い魔女は赤面して、口の中でモゴモゴ言ったが、邪魔したなとだけ返して逃げた。

 なるほど、どうやらあの子が胴体を操っている犯人らしい──マルメイソンは姿を透明にしたままついていくが、あちこちで尋ねたり馬鹿にされたりしながらも、魔女は生真面目に対応していた。なるほど、融通がきかない勤勉さ、魔女には向いていない気がする。研究熱心なら魔女向きだが。

「さて、城全体を見て回ったが、異変はないようだ」

 若い魔女は、肩を回してから息を整えた。

「お前以外はな!」

 指差して言われたマルメイソンは、あら、知ってたの? と言いかけたが黙っていた。当てずっぽうかもしれないので。

 その選択が功を奏したのか、若い魔女は首をひねりながら、気のせいかと呟いていた。

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