第20話 たぷたぷ
厨房には大きなお鍋。たっぷりのスープが煮えている。あれって魔女薬じゃないかしら。
マルメイソンがよく見ようとして降りていくと、一人、二人と人が顔をあげる。マルメイソンは思い出した。そういえば、生首になってから忘れていたが、透明になったように気づかれない魔法も使えるのだ。
さっと一振り、魔法で姿を消してしまうと、
「さっき生首がなかった?」
「見た気がする」
「寝不足なんじゃない?」
人間達は都合のいいように解釈して、慌ただしく仕事に戻る。
鍋のたぷたぷの水面から、誰かの顔が浮かんで片目をつぶった。誰かしら。
マルメイソンは、その水面が浮き上がって指差した方角へ飛んでいった。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます