第8話 最強フルハウス
続いて4戦目。
本来は存在しなかったはずの延長戦だ。
ジャック…
卑劣なイカサマをしてこの私に恥をかかせるなんて…
絶対に許さない。
カードが配られる。
相手に見えないようにしっかりと左手でカードの裏を覆う。
今度はすり替えられないように、絶対に離さないんだから!
そんな私に入った手は…
♢10♡10♧10♧J♢J
初手からフルハウス…
普通なら、手は変えずこのまま勝負なのが定石だろう…
が……
さっきの試合のこともある、ジャックは一体何をしでかすか分からない…
とはいえだ。
この状況で、カードの残り枚数的に彼はこのフルハウス以上の手を超えられるのだろうか…
全部のカードを確認したわけではないけど、それってほぼほぼ不可能じゃないかしら?
だってこれまでの試合でA、K、Qは2枚以上見えてたから10以上のフルハウスを作ることは不可能。
それ以外の数字もおそらく2枚以上切れてたからフォーカードも作れないし、ストレートフラッシュ系も同じマークで繋がった数字は無い……ハズ……多分……
ってことは私のこの手が現状最高の手札ってことになるから…
ーーーチラッ…
「なんだよ、今回はえらく目に気合いが入っているな(笑)」
ッッ……
何よコイツ!
相変わらず人をバカにしたように半笑いして!
ムカつくわ!!
どうせまた卑怯なイカサマをするつもりだったんでしょう?
でも残念でしたw
今度は絶対にすり替えなんてさせないわよ!
コイツがいくら長考しようが絶対にこのカードは離さない!
この手で勝負すれば相手がどんな手だろうと絶対に勝てるんだから!!
「私はチェンジしない!!あなたはどうなのかしら?」
ジャックは3秒ほどして答える。
「俺もこのままでいいかな」
………
チェンジしない?
いや、まあ、チェンジしようがしまいが私のフルハウスが勝つことは決まっているのだけれど…
それにしてもチェンジしないってそれなりの手が一発で入ったってこと?
この残り枚数で?
一体どんな手が入ってチェンジしないってことなの??
「じゃあ勝負といこうか…」
「…え、ええ…
私は10のフル…」
「フォーカードだ。Kの」
え????
♤K◇K♧K♡K◇2
のフォーカードが瞳の中に映り込む。
一瞬頭の中がわけが分からなくなり硬直する。
しかし、すぐにまた私は冷静さを取り戻した。
だって…だって、こんな馬鹿なことがあるはず無い!
あるはずが無いのだ!!
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます