第5話 神の加護 フォルトゥナ

「そうだ。最後にもう一つ良いか?」



ジャックはポケットから飴を取り出し口の中にほおり込む。



「もしイカサマの現場を抑えたときは無条件でそいつの負けだ」



「…何よそれ!どういう意味?」



「意味も何もそのまんまの意味だ。」



この男!失礼な。


私がズルしてでも勝とうとしていると言いたいのかしら。



「ええもちろんよ。そんなの当たり前じゃない!このリーア・グッド・ラック。グッドラック王国の第4王女としてその名に恥じないようにフェアに戦うことを誓うわ」



「それなら良いさ…


ついでに俺も名乗っておこう。俺の名はジャック・スリル。スリル家の出来損ないだ」



周りで失笑が起こる。



「ええ。勝負よ。ジャック!」




こうして第1ゲームが始まる。


私に最初に入った手札は…



♧3♢3♡3♧K♧9



きた!初手からスリーカードが入っている!


ここはKと9をチェンジしてフルハウスかフォーカードを狙いに行くわ!



対する相手は…



「3枚チェンジ…」



3枚ということは残りの2枚はペアができているということね。


それなら、現段階では私のほうが有利!


ここで、3♤か何かのペアが引ければ…



こいこい…




めくった2枚は…



♡Q♤3!!


来た!フォーカード完成!!


まずは1勝貰ったわ!



「勝負っ!」



ジャックの手は5のワンペア。



「よしっ、私の勝ちね!!」



「初手からフォーカード…」



「ごめんなさい、ツキが良すぎたみたいね」



「…次だ」




続いて2回戦目




♡A♡2♡9♡6♡J



初手からフラッシュを引いてくる。



「チェンジはしないわ!」



対するジャックは4枚チェンジ。



手は入っていないみたい!



そしてそのまま勝負。


ジャックの手はブタ。


難なく2勝先制することができた。




「やるね…」


ジャックは無表情でそう答える。


ふふん、何か自信ありそうに勝負を持ちかけてきたみたいだけど、全然大したことないわね。



ポーカーフェイスって言うのかしら。

顔に出てないだけで内心焦っているに違いないわ!

強がっちゃって。




続いて3回戦目。


ここで私から読者の皆さんに種明かしをしましょう!



次の勝負も私が勝ちます!



なぜならそう。


私はグッド・ラック王国のプリンセス候補。


プリンセス候補として生まれた魔術師は膨大なSSSクラスの魔力と神の加護を授かる存在なのだ。


そしてこの私に憑いている神の加護は一体何か。


それは、幸運の神であるフォルトゥナの加護が憑いている。



その効果は運気が上昇するというもの!


その力がどのくらいかというと前の2戦の結果を見れば分かるだろう。


純粋な運の勝負をすればじゃんけんやくじ引き、サイコロ、トランプなどで私に勝てる相手はいないのだ。


私がマイナーなプリンセス候補なだけあって実力を知らないのが功を奏したわ。


こんなところで役に立つなんてね!



覚悟しなさい!


次の勝負も勝って私の家来にしてあげるんだから!!




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