第14話 レガリアスの行方

「あのエロ女神…一体どこに行きやがった」


 レガリアスは二時間前に酒場に行くと言い出ていったのだが、いつまで経っても帰ってこないのだ。

 もしかして酔い潰れてるのではと思いルシーラが酒場に迎えに行ったところ、誰もレガリアスを目撃してないと言われたらしい。


「レガリアス…一体何処に行ったのかな……キョウカは心当たりはない?」


「あいつとはまだまだ短い付き合いだからな、私でも流石にここだって場所は分からん」

 その時、急に教会の玄関扉が開いた、レガリアスがひょこっと帰ってきたのかと期待したが、現れたのは町の郵便屋だった。


「うーん…しょっと…シスター・キョウカさん、お届け物ですっ!」


 届けられた荷物はやけに大きな木箱だった。


「なんでこんな時間に…?」


 警戒しつつも木箱開けるとそこには。

 見覚えのあるチェーンソーと何かが乱雑に書かれた白い紙が入っていた。


「え、これって…レガリアスの武器じゃ…」


「これは確かにあいつのだな、それにこの紙………そういうことかよ…あのバカ…油断しやがって…」


 紙には雑な地図に汚い文章が書いてあった。


(シスター・キョウカ、規定の場所に三時間以内に来なければお仲間とは永遠の別れになってしまうぞ)


「そんな…レガリアスが捕まった…?は、早く助けに行かないと…」


 ルシーラが慌てて教会を飛び出そうとする。


「ちょっと待てルシーラ」


 これは確実に罠だ、恐らく送り主は帝国の人間でキョウカをおびき寄せるためにレガリアスを拐ったということだろう。


「これはどう考えも罠だ、あいつは私一人で助けてくるからお前は留守番して…」

 しかしルシーラが瞬時に制した。


「キョウカごめん、そのお願いだけはどうしても聞けないよ、私も今は神聖ミカド組の一員なんだよ?帝国如きに逃げ回るなんてもう嫌だから……」


(初めて出会った時と比べて大分肝が据わった顔になったな…)


 それほどの覚悟があるなら今や圧倒的な戦力として機能するだろう。


「なら行くか.....迷える外道に聖なる引導を...!」


 キョウカは柄にもなく決め台詞を放つのだった。

 ―――――――――――――――――――――


 ルイスガルの外れにそびえる古びた洋館、その一室にレガリアスは監禁されていた。

 神能が使えないほどに魔力が吸われ、両手両足は鎖で繋がれている、おまけに神経毒に侵されてるという最悪の状況だ。


「う……これはどう頑張っても逃げられ…ないですね……」


 自分の力ではどうにもならないのでキョウカたちの助けを待つことしか彼女には出来なかった。

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