第13話 忍び寄る影
「はぁ…今日も疲れた……キョウカさんったら人使いが荒すぎますよ……こんな日は飲まきゃですね!」
日々の疲れを癒すためレガリアスは一人でルイスガルの酒場に向かっていた。
いつも近道のために通ってる路地裏を抜けようとしたのだが、中程まで進んだところで異様な気配を感じた。
次の瞬間、レガリアスの頭上から黒い物体が落下してきたのだ。
途端にバックステップで回避する。
「……まさかもうルイスガルに入り込んでいたんですね……黒騎士」
落ちてきたのは黒い甲冑姿の男…帝国の精鋭兵士、黒騎士だった。
「シスター・キョウカの仲間、レガリアスだな貴様には奴をおびき寄せる餌になってもらう、一緒に来てもらおうか」
なんと奴はレガリアスを捕縛しに来たのだという。
「ふーん…なら……やれるものならやってみて下さいっ!」
レガリアスは応戦する為にチェーンソーを顕現させる。
そして黒騎士に突進、奴の体を切り裂こうと刃を振り下ろす、しかしその一撃は空を切ってしまった。
(まずい、振り終わりで隙がっ…)
黒騎士がその隙を見逃すはずがなかった。
素早くダガーを抜き、突きを繰り出してくる。
「うっ……痛っ…」
紙一重で避けようしたが、回避出来ず右腕にダガーが突き刺さってしまった。
音を立てて得物のチェーンソーが手から離れた。
「ふん、これでもう貴様に勝ち目はない、大人しく我々に着いてこい」
黒騎士は淡々とレガリアスに告げる。
「これくらいで私を完封したと思ったら大間違いですよ!」
そして神能を発動して新たな武器を生成しようとした、のだが。
(な、なんですかこれ…視界が……歪む…それに気分がっ…)
レガリアスは自身の体に異常を感じてその場に倒れ込んでしまった。
「まさか、あのダガー……毒ですか…」
そう、さっき突き刺されたダガーに即効性の神経毒が塗られていたのだ。
「安心しろ、死ぬような毒じゃない、だが一日くらいは体が動かせんがな」
それは完全に敵の手に落ちてしまったということを示していた。
「ぐっ…キョウカさん……これはまずいことに…」
そしてレガリアスの意識は闇に堕ちた。
「よし、お前ら今すぐそいつを例の場所まで運べ」
黒騎士がそういうと周囲から四人もの別の黒騎士が出てくる。
「さて、シスター・キョウカ…貴女はお仲間の危機にどう立ち回る?」
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