第2章 進展がなくてウンザリ...

出会い系に登録さえすれば、誰でもサクッと異性に会って、楽しい時間を共有できるものだとばかり思っていたわ。


実際に、SNSで出会い系に関する投稿を観察してみても、世のお姉さま方達は出会いをエンジョイしているみたいだったもん。


サイトで好みの男性を見つけたら、気が合えば約束を取り付け、まずは気軽にお茶からスタート!


せっかく気になる異性と会うんだから、ここぞとばかりにお洒落なカフェに行ってみたい!

恋の予感を胸に、メイクも自然と念入りになっちゃうことでしょう。


男日照りの日々を過ごしていたからこそ、久方ぶりのデートはファッションも頑張りたいなぁ。

デート服を友人と選ぶだけで、忘れかけていた恋愛の醍醐味が湧き上がってきそうよね!


そして、これまで摂取出来ていなかった「男性とのデート」という非日常を存分に味わいたい。

23歳の遊びたい盛りの今だからこそ、乏しい恋愛経験の中に「男性とのカフェデート」という美しい記録を刻みたいのよ!


そして、そんなことを数回ばかり繰り返す内に、ドンピシャな相手に巡り合って、無事に交際スタート...というのが、私が出会い系・恋活に抱いていたイメージだったワケ。


なのに実際は、出会い系に登録して4か月経っても、誰にも会えないんだから笑っちゃうわよね。


「え?なんで、皆こんなに消極的なの?日本男児は全員、草食系男子になっちゃったの?」

予想外の展開に、私は混乱し切っていた。


念の為に言っておくけれど、決して誰とも連絡先を交換出来なかった訳じゃないのよ?

現代技術の結晶である、画像加工アプリのお陰で私の顔写真は、これ以上ない程に抜群のビジュアルへと昇華されていたし、実際に十数名程の男性からアプローチも貰ったわ。


とはいえ、私にも選ぶ権利はある訳だから、実際にやり取りした男性は総勢5名程だった。


結論から述べると、その5人の内誰とも会えませんでした!ハイ!残念!


全部のエピソードについて書く暇は無いから、ザックリ述べると、関係が破綻した原因は主に3つ。


①相手が遊び目的で私がフェードアウト。

②会おうとせずにダラダラやり取りで疲れてフェードアウト。

③お互いに「なんか違う」を発症して、自然消滅。


って、ほとんど私からのフェードアウトで終わった訳だけど、ピンと来ないものはしょうがないわよね。


そして最後の1人とのやりとりを経て、私は出会い系・婚活にすっかり疲れ切ってしまったの。


その彼は36歳の会社員で、私にも早めに会いたいと最初は言っていたわ。

ロマンスに飢えていた私は勿論、これに同意して、彼とやりとりをスタートさせて2、3週間以内には軽くお茶でもしたいなぁと思っていたわけ。


だけどやり取りをスタートさせて、1ヶ月経つにも関わらず、彼ったら一向に私をデートに誘って来ないじゃないの!

「早めに会いたい」と言っておきながら、その計画を宙ぶらりんにしちゃうなんて、ちょっと失礼なんじゃないの?


そんな不満を胸に「会わないんですか?」と質問すると、気の抜けた答えが返ってきたわ。

「だって連絡も取り合ってるんだし...そんなに焦る必要ないんじゃないの?」


まぁ呆れた!この人ってば、ひょっとして連絡先を交換しただけで、私と付き合っている気になっちゃってたりする?


そう言えば、最近はLINEのやり取りも上から目線の「人生論」や「アドバイス」の押し付けばかりだし、この人、かなり人との距離感を間違えちゃってるみたい。


まだ実際に会ってもいない相手に、求められてもいないアドバイスを行う時点でおかしいし、私は説教されたくて出会い系に登録したわけじゃないのよ?


そう思った途端、急に私は全てが面倒臭くなって、この男性とのLINEをフェードアウトすると同時に、出会い系を退会した。


不思議なことに「もう1度チャレンジ!」といった気持ちは全く湧いて来なかったわ。


なんだかもう、とにかく面倒臭かったの。

それに出会い系に登録して4か月も経つっていうのに、収穫0っていうんだから、さすがにモチベーションも落ちて当然じゃない?


暇な時にスマホでやり取りして、気楽に会うってのが出会い系の醍醐味のハズなのに、実際はかなり神経を消耗していたもん。

確かにネットで出会って繋がるまでは、誰でも出来ることかもしれないけど、実際に会うって行為はエネルギーが必要よね。


このオンラインをオフラインに以降させる行為がスムーズに行えるかどうかが、出会い系・恋活の勝敗の別れ道だと私は思うわ。


ともかく、私はこれを機に出会い系を続ける気が全くなくなってしまったの。

そして出会い系を一切辞めて、また一人寂しい日々を始めたってワケ。





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