2-2 早くも5日が経過した

 早くも5日が経過した。

 1日目には何やら水分を含んでいそうな植物を口にしてどうにか耐えたのも束の間、猛烈な砂嵐が3日続いた。

 岩場があったのが何より助かったが、極限までに膨れ上がっていく喉の乾きと空腹との戦いは苛烈を極めた。

 昔も同じようなことがあった。

 最もその時は一人ではなく仲間がいた。

 それぞれがそれぞれの役割を理解して、適切な行動をとり砂嵐を凌いだものだ。

 この数日の過酷な環境において、かつての冒険を思い出し、仲間を懐かしみ、全盛期と呼んで差し支えないあの自分の感覚をもう時期取り戻せそうな気がしていた。

「とは言えまだまだ。おっと、口に砂が」

 そうしてもう1日が過ぎ、砂嵐は収まった。

 だがしかし、体力が持つだろうか。

 せめて方位でもわかれば憶測でももう少しまともに進むことができただろう。

 留まることも、進むことも地獄であるなら、ばらば進むしかないだろう。

 一歩、一歩。

 10か、20か、100か、1000か。それだけ歩いた時に力が抜けてばたりと倒れてしまった。顔から崩れ落ちたために盛大に砂を食べてしまった。拳をぐっと握り仰向けに。

 だめだ。

 本当に情けない。

 意識朦朧。

 その時、視界の隅に人影を捉えた。


 こんなところに人なんて、なんて偶然。いや奇跡。これでどうにか助かると安堵した瞬間に意識はぷつりと途切れてしまった。

 

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