第10話 古生物ずかんは浪漫、ここは譲らない

 「ちちうえ~、きょうりゅうずかんをよんだのでしゅが、古生物学の学会では「大陸移動説」を採ってないのでしゅか?」


「前世ではそんな図鑑が多かったような気がします。當時の五大陸にあてはめて、「アジアから大陸を渡って」という表現が散見されていたかと」


「でも本によっては、 ” メソサウルスが外洋を渡ったとは思えないのでパンゲア仮説のほうが真相に近いのでは? ” とかいてたりしましゅ」


「メソサウルスは古生代ですぅー。(こどもか)『恐竜図鑑』を銘打っていても、”恐竜” 以外も載ってるノデ。おそらく過去に学会を割るくらいの、(きのことたけのこ並みの)論争があったノデは。それ以降は、大陸移動説は地学に任せましょうと棚上げしたのでは。大陸論だけに。大陸棚アゲ。(そういえば奥さんはあんまりスナック菓子は食べなかったけど、きのこ派だったかたけのこ派だったか)」


(ちちうえがなにやらカッコの中で何か言外に考えて居るようでしゅが、たぶんしょうもないろくでもないことなんでしゅね)


「と思ってたんだけど、よく読んだらもう中生代には大陸の分裂が始まっていたらしいのね。しかも暖かかったので現在は大陸になっている陸地も、当時は一部海没してたらしい。とはいえ、もうちょっと大陸の分裂のほうが遅いような気もするのだけれど。結論:自分の目で見たこと以外は信じられない←」


「ちちうえ~。ウィトゲンシュタインっぽく言っても騙されませんのでしゅわー!」


そして、ははうえの精霊たちのほうを見ると、フクロモモンガの精霊さんは口笛を吹いてそっぽを向き、カモノハシの精霊さんはキョロキョロと挙動不審になるのでした。


「ああ、中生代の原始的なほ乳類は、まだネズミさんみたいな生きものだったと、思われていた時代があったっけ」

「さすがに精霊さんたちも、そこまで長生きじゃないデシュヨネー(棒読み)」

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