第8話 さんすうがニガテなのでしゅ
ものがたりを読むのは、だいしゅきなのでしゅが、さんすうはたいがい、ニガテなのでしゅ。
「ちちうえ~、前世でなにかのまちがいで理系だったことのありゅ父上~、わたくち、さんしゅうがぁ、にがてなのでしゅが」
「サンシュユは、葉の裏の脈腋に濃褐色の毛叢があり、葉は対生。若い枝には、稜があり、黄金色の散形花序を出す。
ミズキは、葉に円みがあり、互生し、若い枝は、丸く稜がない。
クマノミズキは、葉は細長く、対生し、若い枝には、稜がある。」
「ここはははうえの植物えんでしゅが、山茱萸ではなくてさんじゅちゅでしゅ」
「もしもッ! 超高速で脳内でソロバン計算できる脳味噌の持ち主ならばッ、引き算は負の数を足すだけ、かけ算と割り算は不要ッ、超高速で足して引くがッ、よいのでござるッ!」
「ちちうえ。それだと「なんでゼロで割っちゃダメなの?」っていうお約束の説明はやっぱり分かりづらいままでしゅ。
方眼紙の上にグラフで、 y=1/x をプロットして、幾何学的に理解するほうが、直観的に分かりやすいとおもいましゅ。
あとちちうえ、なんかメガネがグルグルになって、前歯が目立つ顔になってりゅでござゆよ? 似てそうで知ってるヒトしかわからにゃい、コバヤシさんちの常識人・タキヤくんのモノマネでしゅか」
「著作権にひっかかりそうなところはおいといて。算数も数学も、世界を記述するための言葉、単語と熟語と連語(イディオム)と文法を駆使してッ!数式により世界を表現するッ!いわば「スタンドッツツツ」! 65535のひっさつわざのひとつ! 四則演算がなければ戦闘力たったの5! 私が塾長代理代行代打ちであるッ!」
「「竜雑誌」はおいといて「少年が跳躍する週刊マンガ」でしゅか。なんかまざっててふるいでしゅけど」
「まず、算数も数学も、「世界を表現するための第二言語」と思ったらちょっととっつきがイイかもしれません。でも「外国語ーニガテでしゅー。自国のことばだけ分かればいいのでしゅ」と、ニガテ意識が先に立つのならば、キツイかも。
父は~、前世で理系で、奥さんが文系法学部の時、法律・政令や通達・告示に条例・規則のほうが、数式よりもよほど理解しづらかったのでしゅが」
「なじぇ、しょこで、かむでしゅか」
「あと、自然科学史って、直線的に進化して無くて、あっちこっちで同時発生・派生的に、かつ、たいして相互に関連が無く(再)発見されたり、法則として統一されたりしているので、歴史や思想史、文学と違って「脈絡の無さ」があるのでござるよ。」
「だから、じぶんじしんで、どこまで、どのレベルに到達して、世界を、宇宙を理解したいのか、目標を定めるとよいのでござる。
世界を、数式から文章に訳してもらって、理解する。数式で理解する。ほかのひとに教えられるレベルで、理解する。自分なりに、さらに世界の標準から先に、理解を究める。
宇宙史で言うと、ひとの社会ができあがって以降なのか、生物が生まれてからなのか、この大地が出来上がってからなのか、化学なのか、物理学なのか、さらにそれ以前なのか」
「うーん、よくわからないけど、とりあえず、ほんじちゅの、わたくちの、れべるで、わかりまちた! とゆうことにしておかないと、そろそろ、ちちうえのアタマが、すいじょうきばくはちゅを、おこしそうでしゅ。
ははうえ~っ! たいへん! ちちのあたまから、湯気がでてきまちたー!」
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