第4話 肥料の三要素ってなんでしたっけ

 とりあえず、収穫したワンドラとニャンドラのお世話を、人狼一家と猫獣人一家にたのむのでしゅ。


 人狼一家の大黒柱は、前世でもイケメン人狼だったに違いないのでしゅ。おそらく、ヒライカズマサ氏の著作に出てきてたはずでしゅ。ちょっと私よりもお姉さんな娘さんが居るので、ワンドラゴラをあずけましゅ。


 ニャンドラゴラは、猫獣人一家の、長老お祖母様に、あずけましゅ。


 数日後、なんだか、ワンドラも、ニャンドラも、元気が無いので、母上に知恵を借りることにしたのでしゅ。とりあえず、母上と、母上の里の植物を育てている温室に行きまして。エルフの里に伝わる「植物の生長を祈るお祈り」を踊りましゅ。


(父上はなぜか

「腕を前から大きく上に挙げて、せのびのうんどー!!」

となぞの合いの手を入れましゅ。途中で

「えがおでっ!うしろそりーいぃいっ!」(立派なかけ声ほど反っていない~)

という気合いもいれましゅ)


「朝(あしゃ)は冷えるねっ、寒いねっ」

「お鼻、たれてますよー。 "たまごに目鼻" なのは、母親似で良かった。基本的に、しあわせそうで、愉快そうなのも、母親似で、よかったよかった」

「アタマの中では、けっこう大人びたことを考えて居る割に、口から出てくるコメントが、アホのコっぽいのは、父親似ですよ~」

((なんだかほめられている気がしない))


「父上もっ、お鼻からっ、お水(みじゅ)がっ タレうねっ! 種植えっ?」

「この副鼻腔と眼球の粘膜は、いったいぜんたい、何の花粉に反応しているんだろうか? そもそも、花粉アレルギーなのか?? この世界の空間を形成する空間の量子とか???」

(父上が、また、なんだかようワカラン問題に、ぶち当たっているようでしゅ。「おまいはいったいなにと戦っているん」?)


 突然、植物の根っこがもりあがり、「まんどらごるぁあっ!」とキンニクもりもりの男性形のニンゲン型植物が。


 また一方で、「アラアラ、あるらうね~」と肉感的な女性的なニンゲン型植物が現れ。


 なぜか2人で、畑の一角を耕し、肥料を入れ、準備万端になったところでワンドラとニャンドラをいったん埋めて、水やりをはじめたのでありました。


 親子三人で「やっぱり植物だもんなあ」と感心したのでありました。


 とりあえず、鼻水垂らしつつ、父上に肩車してもらいましゅ。


「ちちうえっ! だっこ! おんぶっ! かたぐぅま! のぼりゅっ! のぼゆぅ!」


「暖かいねー」


「高いところが好きなのも、父親似ですね~」


((なんだか褒められている気がしない))


「奥さんも、おんぶとか肩車大好きでしょ。」


 ついでに母上の精霊のフクロモモンガも、父上のアタマに陣取っていましゅ。

この子は、母上の大切な伴侶、の、大切なオツムを守っている、というよりも、やっぱり高いところがだいしゅきなようでしゅ。


「ちちうえ! どうして? ちちうえのあたまには、つむじがっ! たくしゃん、あるの? 

 寝癖はっ? どうしてできるの?

 えいっ! えいっ! わたくしがっ! ちちうえのっ! つむじをっ! 増やしてさしあげましゅわぁ~」


「これこれ、掴んでひっぱると、貴重な毛が減るから止めなさい。

 まず、アタマの旋毛は、発生時に、毛髪が生え始めたところが中心と云われています。だから巻き方は、生涯を通じて、変わらない。それから、つむじが2つあるひとは7%くらい、3つあるひとは1.5%くらいだそうで、これも、一生を通じて、変わりません。なんとなく予想すると、だいたい1~3個以上、生え始める点があるけれど、成長するにつれて、優勢・支配的な中心だけが、目立って残るのかも???

 旋毛の中心は、毛が薄いので、禿げやすいと言われます。

 

 (それゆえに「旋毛を増やす」のは、あんまり褒められないと思いますよ)


 あと、私の寝癖や、母親似の髪質で、寝起きに爆発する娘さんはですね、アタマの形状が球にちかく、上部に旋毛の中心が在るので、寝癖が出来るのは仕方ない。むしろ、寝癖が出来ないほうが、不思議なくらいです。私なんか、朝は普通なのに、出勤途中にバクハツアタマになることもありますよ。」


「あたくちもー、バクハチュー!」


 ちちうえとあそんであげていると、「偉い!」と思ったのか、

「あらあら~」

と云いながら、アルラウネ姉さんがイチゴをくれました。

「あら~、おいしそうねえ」

と云いながら、欲しそうに見ているははうえには、

「あらあらあら~」

と云いながら、おミカンをくれました。

ははうえが一房、おミカンをむいてくれました。


 なお、ちちうえには、マンドラゴラ小父さんが、キュウリをくれました。

 植物型知的生物は、お二人とも、蔦や蔓が複雑に絡み合ってできた身体の、内部のほうから、どうにかしてもぎ取って出してくれるので、ちちうえは、なぜか

「うっ」

と云いながら、内股になってしまうのでした。

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