第4話 情報集め

さあ、情報を集めるぞ、と意気込んだが、何から手を付けたらいいのかわからない。だからとりあえず、浜風ともっと仲良くなってみよう。

奏太はそんなことを思いながら学校に着いて、自分がとんでもなく難しいことを言っているのだと理解した。


そう、浜風の周りには集団ができていたのだ。

いや、毎回できているのだが今までは、恒例行事だな、とあまり気にしていなかったのだ。

だが、今回は違う。仲良くなるためにはもっと積極的に話さなくてはいけない。でも、あの集団に入って仲良くなれるかといえば、そんなわけではないだろう。


ほんとにどうしようもないな、と浜風のほうを眺めていると


「よう、もしかして奏太も浜風さんに惚れちゃったのか~?」


と樹がからかってきた。


「いや、確かに美人だけどそういうわけじゃなくてな?」

「いいって、いいって!わかってるからさぁ~」


はぁ。まあ余計に否定するともっと気になってるように見えるしな。

そう思いあきらめていると先生が入ってきた。みんながそれぞれ席に戻り、先生の話が始まる。

しかし、とてもじゃないが話しかけれないな、これじゃあ友達になるどころか接点すら作ることができないぞ。

ただ、そうは思うもどうにもならないのだ。あの集団の中に入っていくのは無理だ。そんなことをうじうじ考えながらどうにも話しかけられない日々が続く。



二週間後、俺は樹といつも通り昼食をとり、裏庭に来ていた。なぜかって?

あれから進展がなく焦っていた。もしかして何か嫌なことを言われているのではないか、女子からのいじめでもあるのではないか。そんなことを思い、ちらちらと気にしてみたが、特段そんな風には見えない。そんなときに、浜風が3年のイケメン、三島先輩に呼び出されていたのだ。もしかしたらこれが原因なのでは?と思い、まるで自分がストーカーみたいだなと思いながら、こっそりついていった。そしたらここにきていたのだ。





「浜島、いや香奈。好きだ。付き合ってくれ」

「...ごめんなさい」

「そうか...。理由だけ聞いてもいいか?」

「私あまり三島先輩のこと知らないので」

「じゃあとりあえず付き合ってよ。それで僕のことをどんどん知ってくれればいいから。」

「いや...さすがにちょっと」

「ならお試しで付き合うとかでもいいから」





浜島は困っている様子だった。というか、あの先輩、ものすごく強引だな。まるで自分がふられるわけないと思っているかのような感じで。

そういえば、今までの浜風は誰かと付き合っていたのか?そういう話を聞いた覚えはないが。でもこんなにもてているんだったら、誰かと付き合っていてもおかしくないか。そんなことを思っていると、三島先輩が浜島に詰め寄っていた。


「いいじゃん。僕これでも結構もてるんだよ?きっと付き合ったら、鼻も高いと思うんだ。」

「いや、ほんとにごめんなさい。いま誰か付き合おうと思わないので」


そう言って浜島は三島先輩を押しのける。


「...ちっ。お高くとまりやがって」


そう言って三島先輩はどこかに去っていった。

なんだあいつ。心はくそ不細工じゃん。…てかなんか浜島こっち向かってきてね?

物陰に隠れるが少し遅かったっぽいようだ。やば。



「のぞき見?何してんのさ。倉城くん」

























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