第23話
大虐殺。
たった一人の少女が斬り殺した数は二百人余。ほんの
きっかけは単純。
城下に遊びに来ていた
同時にあまりにも暴れ、抵抗する姫に嫌気がさしたのか、曲者は姫の喉に刀を突きつけた。真っ白の喉に刀の切っ先が刺さった瞬間、真之介はそれを目の当たりにした。
姫は刀をへし折った。
どうやったかのかは分からなかった。
それから少女は
犠牲者は、
今、
そして、倒れた。突然糸の切れた人形のように。
殺すべきと言う意見もあったが、もう一度同じ状況になったときの被害が予測できなかった。五十を越える武士と足軽が殺された。中には関ヶ原や大阪の陣に参加した者達、あの戦国を生き抜いた者達もいた。
少数の素破を監視につけ、なんの生きる術も知らない、城で世話を焼いてもらい暮らしていた十四の女を一人で放り出すことしか出来なかった。
時雨の過去。
放り出された女はその闇を今も抱えている。そして彼女は自ら苦界に身を落とした。尼になるつもりはなかった。命ある限り苦しみ抜こうと自らに誓ったのだ。
「ふふふ、大丈夫、大丈夫よ、
まだ、大丈夫……」
それは八年前と全く同じであった。無力感にさいなまれる。
感情のない声が
「
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あれからどのように帰ったのだろう。
最後に憶えているのは
(
この数年間でお
今、お
自信が無かったからだ。
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「おはよう、
「
髪はぼさぼさ、赤い
「はぁ~、あったまる~」
首の辺りまで一気ににつかると
この二・三日、
その手はずはすでに整っていた。
江戸中の
「……お客、来るかな~」
■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□
営業再開当日、集まった
「え、なんだ、何があった」
番頭が頭を抱えていた。
何があったのかと
ひととおりの話を聞き終えると大まかな内容が見えてきた。どうやら、
ただ、十分に戻ってくる時間はあったので引き受けたようなのだが何故か戻らないということだ。ここにいる者達は、
(はぁ、やっぱり。あっさりといくわけはないとは思ってはいたが、ここまであからさまとは……)
とりあえず残る手紙を
「ん~、私なら、もう一段階構えるんでありんすがねぇ」
しかし、現状ではその方法しかないのもまた事実だ。金を受け取った
十ほど文を出したのだが誰も来ない。初日から大量に来てくれるとはさすがの
半刻後、
「
まだ茶屋からはだれも呼びに来ていないが・・・・・・?」
それは、
それは、悲しくてとても美しい物だった。
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