第17話
「ちょっ、
一介の町人に武士が頭を下げるんじゃあないよ」
無理やり上半身を抱え起こすとそこには笑いをこらえた顔の
「あ、相変わらずですね、
しかし、その表情は段々と険しくなり、目が
「人が、人が……、ゆるさん」
ゆらり
「いっ、今の半分本気で……」
起き上がりかけた
斬る、弾く、斬る、弾く、斬る、弾く
攻防が続いている。
元々自分より丈のある者からの斬撃を
しかし、この斬撃はいままでのものとは全く違っていた。
重い。
非常に重い打ち下ろしに
「申し訳ございませんでした!」
もう、逃れる方法はこれしかなかった。
やはり姫は強い。
「まだまだだねぇ。この程度では私には勝てんよ」
「はよ立て。食事でもしながら話そうではないか。お前のおごりだからな」
曲がり直しがないので抜き身で持っていくしかない。
「
もしかしてそのまま持っていくつもりか?」
「貸してみて」
四寸程ある竹は斜めにずり落ちてゆく。
それだけをすると
「あぁ、取りあえずの応急処置だから屋敷に帰ったら曲がり直しで元に戻して。
じゃあ付いて来て」
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二人は江戸一番高い
「あの、
「どうした
「払えません、こんなの。どうするんですか!」
「ん、
何の条件も出さなかったではないか」
ぐっと喉を鳴らし、返答に困っている。そろそろ勘弁するべきか、もう一押しするべきか。
「わかったわかった。ここは私のおごりにしよう。
そのかわりもう二つ言うことを聞いてもらう。
一つは
もう一つは、食事が終わってからにしよう」
そう言って時雨は料理に箸をつけだした。次は何をさせられるのだろうと思うと、
二人は
「
答えたくなければ別にいいけど」
時雨の口調は、
真之介はどう話そうと思ったのか、腕組みをして暫く考え込んだ。そして、話し始めた。
「実は……」
真之介は五日前の事を話し始めた。それは
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