第16話
「あ、あんた、
十五の
それからは警護の
その
「姫、ご無沙汰しております。そのご様子だと相変わらずのようでございまするな」
それどころかさんざん打ちのめされる毎日であった。そしてあの日、
「あんた、なんで江戸にいるんだい?」
懐かしい声を聞き、
「姫、とりあえず短刀を下ろしていただけませぬか?
痛いのですが」
振り向いた
「よしなよ、
「なんか用があるんでしょ、話なさいな」
そのまま寺の石段に腰を掛けた。
それは
「あっははは、なにやってるんでありんすか」
時雨は腹の底から笑っていた。
「ほら。捕まりなよ」
今は関わりが無いといっても昔仕えた方、それも現当主の娘だ。
現、
やがて、唇だけがそっと離れた。
「
それとも
「いっ、いや、それがしはまだ、その」
「
その言葉にさらに真っ赤になる。
「そーか、そーか、思い人は?
「あー、いや、その、想い人はいるのですが、そのぅ」
もう一度、
「い、いいます。いいますから勘弁してください。
その方は
今は喪に服しておられますし、旦那様を今でも愛しておいでなので私ごときを相手にしていただくことは叶わない方です」
「で、いくつなの、その
舌が
「歳は二十一です。もう、勘弁してください」
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