第13話
「お主か。
しかも、数も多い。
「すみません、お役人様。私の知り合いらしいのでもしよろしければ、最後に一目だけ……」
岡崎もそれを感じ取ったらしく右手を少し動かし、左足を後ろにずらす。
ぴりぴりと肌を刺す空気に
それが合図になった。
二人の
岡崎の刀の
二人は振り切った状態のまま動かない。
「……ふむ、
二人とも仕切り直す様子はない。
世間では【折れず、曲がらず、良く切れる】と言われる刀が一回の斬撃で斬れたからだ。
しかし、折れたところは見たことがなかった。
さらに今、目の前で起こっているのは折れたのではない、斬れたのだ。
時雨の側頭部を狙った殴打だ。
もはや刀同士の戦いではない。
瞬きした瞬間、二人が動いた。地を
甲高い音があがった。
二人の刀の
力比べだ。
刃は当たっておらず、むしろどちらの刀身とも自分の方へ向いていた。
「やめだ。勝てん」
同時に
「
そのままくるりと背を向け、立ち去ってゆく。
体中が快感に震えていた。
七年前の感触を思い出す。
もう一度
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