ep7 対外侵攻とサハラ砂漠
翌日、ギルド・アマノサカホコの拠点であるサン・ピエトロ大聖堂にアマノサカホコの全メンバーとその傘下のギルドのギルドリーダーがほぼ全員集合していた。
正面の壇上の豪華な椅子(ナミが出した)に座るのはアマノサカホコのギルドリーダーたるナミ。その横に俺、逆側にカグ。
そして一段下の最前列に三貴神のアマテラスとスサノオ。ツックーは欠席。
そしてその一列後ろにアマノサカホコの幹部で十神。その中にはサズの姿が見られる。そしてその後ろにその他大勢。総勢3000人、参加のギルメンも含めれば総勢4000人を超えるこのゲーム最大の勢力である。
「いよいよ明日からこのゲームの第二幕、その名も”このゲームで一番強いのはどこのギルドだ? the earth in 1400最強決定戦”~~!! ドンドンパフパフ!!」
「ナギさんふざけないでください」
「さーせん」
カグに怒られちゃった。まあ切り替えていこう。
「とにかく明日、このゲーム最強を決める戦いが始まる。我々、アマノサカホコは開戦と同時に侵攻を開始する。攻めるのはこのイタリア半島エリアの西側、ソーラープラネットの持つフランスエリア、チュニジアエリアの東のリビアエリア、西のアルジェリアエリア、バチカン半島エリアの東側ブルガリアエリア、北側オーストリアエリアの合計5方向だ」
「ご、5方向同時ですか!?」
「その通りだ」
「こ、古来から他方面と同時に戦った国はすべて負けています!! 第二次世界大戦でロシアとイギリスを同時に相手にしたドイツ、日中戦争と太平洋戦争を同時にやった日本! 5方向同時なんて愚策です!!」
そういえばワタツミは歴オタだったか。だがその反論は少し間違ってる点もある。
「そんなことない。例えばモンゴル帝国は他方面を同時に攻めてユーラシア大陸の大部分を支配した。他方面を攻めて成功した例もある。アマノサカホコは規模感も序列もトップクラスだ。問題なく他方面を攻め取れると判断した」
「……なるほど。会議の進行を妨げてしまい申し訳ありません」
「構わん。続けるぞ? 続いて指揮官を発表する。フランスエリア方面大将・ナンバー3・ヒノカグツチ! さらに十神からオオヤビコとワタツミ!」
「は!!」
「「了解です!!」」
「アフリカ方面総大将は俺、イザナギが務める。リビア方面はアメフキ・サズ、アルジェリア方面は三貴神からスサノオだ。いいな?」
「了解だ。ボス」
「我に任せとき!!」
2人ともいい返事だが俺はボスじゃねえ。
「ボスは俺じゃないんだけど」
「俺が従うと決めたのはあんただ、ナギ。だからボスだ」
「……まあいっか。次、ブルガリアエリア方面はアマテラス。その補助に十神のハヤアキ兄妹とオオコトをつける。いいな?」
「お任せを」
「ラスト、オーストリア方面。えーと……」
すっごい眼圧を感じる。後ろから。後ろで椅子に座っているギルド―リーダーから。
「十神の……」
(”神物創造”国産みの鉾……)
「いや!! ギルドリーダーのイザナミ様自らご出陣です!!」
「やっと私の出番ね!!」
本当に神器で脅すのやめて欲しい。ギルドリーダー自ら出るなんて愚策だろうに。まあナミなら問題ないか。バケモノだからな。
「と、いうことだ。何か異論のあるやつはいるか?」
声を上げる者はいない。
「では、明日の開戦のタイミングと同時に全員部隊長に従い、隣接エリアに侵攻せよ。以上!!」
「「了解!!」」
翌日、チュニジアエリア。俺はサズの見張りのため東戦線に入っていた。
「サズ、お前の実力、十分に発揮しろ。ヘマなんてしたら支配権も十神も取り上げるからな」
「ボス、俺をなめてるんですか? 三日あればリビアエリアを占領してみせますよ」
「ほう、すごい自信だな。なら俺とどっちが広く土地取れるか勝負するか?」
「いいですよ。先日の借りを返してあげますよ」
「なら俺は南側に侵攻する。兵はいらん。お前はリビア東側を頼む。期限は3日な」
「了解」
いきなり勃発したどっちが土地を多く取れるか勝負。予定にはないリビア・アルジェリアの国境付近侵攻。まあどっちも占領する予定のエリアだし問題はないだろう。
数時間後、俺はラクダに乗って砂漠を走っていた。
「あっつ……」
俺がいるのはサハラ砂漠。全然人がいない。占領しろと言われても占領すべき拠点もない。
「これは負けたか……」
どっちが土地を多く取れるか勝負の負けを悟りつつただただラクダを走らせる。この世界のラクダ結構早い。もう自分の現在位置もわからん。この辺マッピングしてないし。砂嵐で前も見ずらくなってきた。本当にどうしよう。これで砂蚯蚓でも出てきて殺されたりしたら笑えん。
「ん? なんだ?」
砂嵐で前が見えなかった俺にいきなり巨大な建造物が現れる。
「これは……隠しダンジョンかなんかか? こんな所に……」
どのみち砂嵐でこれ以上進むとマジで危ないし息抜きみたいな感じで攻略してみるのも悪くない。
俺は装備しているポーションなどの装備を確認しダンジョンの中に入った。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます