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紗良が子供の頃に両親は離婚していて、さらに母は数年前に脳梗塞を患っている。そのため持っていた運転免許も返納済みで定期的に通院もしているからあまり母には負担をかけさせられない。


とはいえ、子育て未経験、ましてや出産未経験の紗良にとって、海斗の子育ては未知との連続だった。

母がいなかったらとっくに音を上げていたに違いなかった。


「明日はプール教室だから、お昼は外で食べてくるね」


「わかったわ。海ちゃんプール楽しそうね」


「お友達と行ってるから楽しいみたいよ」


保育園で知り合ったママ友から誘われて、海斗は四月からプール教室に通い始めた。

年中から通えるプール教室はまだほとんど水遊び程度。けれど楽しそうにしている姿を見ると、やらせてあげてよかったなと紗良は嬉しくなる。


一通りの家事を終え明日の準備を整えて、ようやく紗良も寝室へ入った。


隣でぐーすか寝ている海斗の寝顔はやっぱり可愛い。

自分の子供ではないけれど、もう二年も一緒に生活しているのだ、可愛くてたまらない存在には違いない。


海斗の寝息を聞きながら、紗良もすぐに眠りに落ちた。

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