軍事チートの使者

☆☆☆王宮謁見の間


人族が一人だけ使者として来ていた。前は、ドブさらい専門の冒険者である。


「ヒヒヒヒ、勇者アース様の要求は・・・」


王は退位して、姫とアースが結婚して、王にする。

その前に、

奪免除税として、大金貨1万枚(100億円)を寄越せ。


「・・・1万枚と言ったら、王国の1年間の予算ではないか・・」


「ヒヒヒヒヒヒ、嫌なら、ここで、ジュウって奴を乱射してもいいんだぜ。お、そこに、姫がいるな。お、エルフもいるな。手柄にするから、寄越してもらおうか」


「ヒィ」

「嫌ッ」


使者は廷臣の群の中にいた。この国の王女と、エルフをめざとく見つけ。

近づく。本来なら、不敬罪であるが、騎士は、歯ぎしりしながら、見守っている。


使者に手を出すなが、命令だからだ。


王は止めるが、完全無視だ。


「使者殿、それは、おい、おい、協議して・・・」


「あ、軍事チート様に逆らうのか?」


すると、王女、エルフの前に、1人の少女が立ち塞がった。


冒険者ギルドから、送られて来たあの少女、アリサだ。


「何だ。おい、近づくと撃つぞ!本当に・・・」

ガチャ、


少女は、何の躊躇も無く、銃の機関部の真ん中を掴んだ。

銃口は少女の腹に向かっている。


「あ、撃つぞ!撃つぞ!撃つぞ!・・・あれ、引き金が引けない」


カチャ、カチャ


「M16・・・ヒドイ、整備不良だ。コウカンを押さえると、遊底部・・スライドは動かない。」

少女は独りごちると、


フンと足さばきだけで、銃を奪った。


ドタン!


そして、


バキン!


銃床で、使者を殴って気絶させた。


王は膝を付く。


「なんてことをしてくれたのだ。軍事チートに勝てる道理はない・・・貴殿は一人、敵は数百はいるのだぞ・・・」


しかし、少女は大声で、叫ぶ。


「聞け!何故、勝算があるのに、怯える!一度、要求を聞けば、際限がなくなり。婦女子は辱めを受け。男は奴隷として売られる

 勝てる筋道は、私が立てよう!」


「「「「そうだ!その少女の言う通りだ!」」」

「そうです。お父様!」

「王よ。エルフ魔導師一同、協力します!」


王は、決断する。


「アリサ殿の言う通りにしようぞ!」


「「「オオオオオオオオオオオオオ」」」


軍事チート発生の報が入ってから、初めて、王城に活気が戻った。


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