第8話 コボルト、立つな
翌日、翌々日と続けて『品川ダンジョン』に潜り、ゴブリンとスライムを100体近く狩って、ようやく私達はレベル5に上がった。
ーーーーーーーーーーーーー
名 前:ライ
レベル:5(+1)
体 力:20
攻撃力:20
防御力:19
素早さ:19
魔 力:0/0
運 :10
S P :6(+6)
スキル:剛力
ーーーーーーーーーーーーー
ーーーーーーーーーーーーー
名 前:セイラ
レベル:5(+1)
体 力:15
攻撃力:15
防御力:14
素早さ:14
魔 力:0/0
運 :15
S P :8(+8)
スキル:テイム
ーーーーーーーーーーーーー
「おお、スキル覚えた!」
「私も。テイムって何だろう?」
よく分からないので、スマホで検索してみた。
「剛力は攻撃力を+5するスキルか。すげえシンプルだな」
「テイムは魔物を仲間にするスキルだって」
「へー、何か面白そうなスキル引いたな!」
「ただ、テイムの方はあんまり情報が出てこない」
「レアスキルなんじゃね?とりあえず、SP割り振ろうぜ。俺は全部21にすればいいな」
「うーん、テイムって魔力使うのかな?」
「要らないっぽいぞ」
「え、そんな話どこかに載ってた?」
「Wakipedia」
「ウァキかあ…信頼性が微妙だわ…」
ーーーーーーーーーーーーー
名 前:ライ
レベル:5
体 力:21(+1)
攻撃力:21(+1)
防御力:21(+2)
素早さ:21(+2)
魔 力:0/0
運 :10
S P :0(-6)
スキル:剛力
ーーーーーーーーーーーーー
ーーーーーーーーーーーーー
名 前:セイラ
レベル:5
体 力:17(+2)
攻撃力:17(+2)
防御力:16(+2)
素早さ:16(+2)
魔 力:0/0
運 :15
S P :0(-8)
スキル:テイム
ーーーーーーーーーーーーー
5レベに上がったので、私達は2層に降りる階段へと向かった。
「お、ゴブリンだ。丁度良いからテイムしてみようぜ!」
『テイム』は自分で魔物を倒すと発動するらしい。
よって、私が1人で戦うことになった。
「えい!」
「GOBU!?」
棒で叩いて1発KO。
『テイム』するために手加減したから、消滅まではいっていない。
「お、起き上がったぞ」
ゴブリンが仲間になりたそうな目でこちらを見ている。
仲間にしますか?
はい/いいえ
▶︎いいえ。
「えい!」
「GOBUUUU!?」
「えー!?何で殺すんだよ!?」
「よく考えると、もしもテイムが1度しかできなかった場合、ゴブリンはちょっと嫌だなと思って」
何度でも魔物を仲間にできるスキルならいいけど、そうではない気がする。
「個人で魔物の軍団を所有できる能力なんて、ちょっと強過ぎると思わない?」
「そうか?レアスキルならそういうこともあるんじゃね?」
「仮に強過ぎる能力が存在するとしても、初心者の私が最初に引いたスキルがそれだったなんて考えにくいよ」
1人1体まで、みたいな制限は普通にありえると思う。
だとしたら、『テイム』を使う魔物は慎重に選ばないといけない。
「じゃあ、どんな魔物ならいいんだ?」
「うーん、犬とか?」
「普通に犬飼えば…?」
『品川ダンジョン』地下1層にはゴブリンとスライムしかいないので、私達は2層へと降りた。
「2層もあんまり変わらないな」
「ちょっと木が増えただけの草原だね」
2層のボスは『オーク』。
推奨討伐レベルは5。
適正レベルなので、戦ってもいいが、先に一般魔物で2層のレベルを見たい。
「向こうに何かいるぞ」
「あれは…羽の生えたモグラ?」
2層で最初に遭遇した魔物は『羽モグラ』だった。
身体の半分を土から出して、日向ぼっこをしているところを発見。
名前の通り背中に羽を生やしているが、別に飛行能力とかはないらしい。
「じゃあ、何で羽生えたんだ…」
「むしろ、羽が邪魔で土に潜るのも苦手になっちゃったんだって」
「ええ…」
大きさはゴブリンと同じくらい。
間抜けそうに見えるけど、初めての2層の魔物だ。
用心してかかろう。
「剛力!おらっ!」
「MIIII!?」
ハネモグラはライの斧の一撃で灰になって消えた。
「弱っ!」
「弱いね…ライが強過ぎるのかな?」
『剛力』の攻撃力+5というのは結構強めの能力なのかもしれない。
「倒しちゃったけど、仲間にしたかったか?」
「全く」
そもそも仲間にしたかったなら私が戦っている。
ドロップアイテムは相変わらず魔石だった。
「いくらだ?」
「120円」
「20円アップか…大したことねえなあ」
「ボスのオークの魔石でも300円らしいし、こんなものじゃない?」
「まあ、大して強くもなかったしな」
次に遭遇した魔物は『コボルト』だった。
「お、犬の魔物きたぞ」
「可愛くないからパス」
「ええ…」
「KOBO!」
コボルトは二足歩行する犬の魔物。
大きさはゴブリンと同じくらい。
ゴブリン同様に頭でっかちで、貧相な身体つき。
あんまり可愛くはない。
「そもそも犬や猫を二足歩行させないでほしい。四足歩行で完璧なデザインなのに、わざわざ立たせて劣化させるのは本当にやめてほしい」
「お、おう」
二足歩行の生物なんて人間で見飽きている。
そんなに人間が好きで人間に寄せたデザインがいいなら、初めから犬や猫をモチーフに選ばなければいいのに。
「ライもそう思うでしょ?」
「あ、はい…」
「KOBO!」
向かってきたコボルトは私が棒で弾き飛ばして倒した。
●コボルトの魔石…130円
その後も2層を探索したが、これだ!という魔物とは遭遇できなかった。
「ホーンディアはちょっと可愛かったけど、鹿の毛って結構ガサガサしてるんだよね…。修学旅行で奈良に行った時に触ったけど、スベスベしてなくてガッカリした思い出がある」
「別に可愛くなくてもいいんじゃ…」
「でも可愛い方がいいよね?」
「あ、はい…」
現状はスキル無しでも困っていないし、厳選できるのなら厳選したい。
2層の魔物は大体見終わった。
「というわけで、明日は3層に行かない?」
「え、まだオーク倒してないぜ?」
「ボスを倒さなきゃ先へ進めないわけじゃないし、オークは可愛くないからどっちみちテイムしないし、もういいかなって」
3層のボスも推奨討伐レベルは5なので、レベル的にも問題はない。
そして翌日。
『品川ダンジョン』3層。
2層よりも更に木が増えて林のようになったフィールドに降り、魔物を探した。
「うわ、なんかキモいネズミみたいなのいるぞ」
「ハダカデバネズミみたい…」
調べたら『ハダカデブネズミ』という魔物だった。
体毛が無く、
もちろんテイムはせず、ライが倒した。
「お、レベル上がった。相変わらずSPは+6か…」
ーーーーーーーーーーーーー
名 前:ライ
レベル:6(+1)
体 力:23(+2)
攻撃力:23(+2)
防御力:22(+1)
素早さ:22(+1)
魔 力:0/0
運 :10
S P :0(-6)
スキル:剛力
ーーーーーーーーーーーーーー
「POTEEEEE!!」
「えいっ!」
「POTEEEEE!?」
奇声を発して駆けてきた『人面芋』という魔物を棒で叩いたら2つに割れた。
「よえー」
「なんて脆い生き物…」
人面芋を倒すと私もレベルアップした。
ーーーーーーーーーーーーー
名 前:セイラ
レベル:6(+1)
体 力:19(+2)
攻撃力:19(+2)
防御力:18(+2)
素早さ:18(+2)
魔 力:0/0
運 :15
S P :0(-8)
スキル:テイム
ーーーーーーーーーーーーーー
「てか、6レベに上がるの早かったな」
「下の階層の魔物を倒す方がレベルアップも早いのかもね」
「なるほど」
「ということで、4層行かない?」
「マジで言ってる?」
「うん」
4層ボスの『ワーム』は推奨討伐レベル6。
レベル的には適正。
「でも、3層の魔物全然見てないぜ。いいのか?」
「昨日ネットで調べたけど、あんまり可愛い魔物いなかったんだよね」
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
【3層の魔物一覧】
・トレント(切り株お化け)
・ハダカデブネズミ
・人面芋
・ピクシー(妖精と虫のミックスみたいな魔物)
・レッドバード(赤い小鳥)
・巨大蟻(名前のまま)
・ドロドロド(泥の塊)
・ポピー(仮面を被った紫色のケダモノ)
・ゴブリン
・スライム
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
「もしかして、もうテイムしたい魔物決まってたりする?」
「実は…」
「4層の魔物か?」
「いや、5層に出てくる魔物。『ダンジョンウルフ』っていう狼なんだけど…」
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます