第4話 ボス戦??!

浮遊感がしたと思ったら、お尻にすさまじい衝撃が走る。


「いててててて・・」


「はは!リリーは初めてだったな。」

「意外とどんくさいのか?」


こんな軽口を叩ける仲になったのは、ここに来る前に少しお互いのことを話し合ったからだ。

これから必要になりそうな、能力の話だけではなく、趣味や特技、仕事、未来のこたなどなど。

(やっぱり、ちゃんと話す時間をもうけてよかったわ!)


「というかここがアジトなの?」


「いや中継地点だよ。誰でもどこにでも飛ばせる能力じゃないからね。条件がそこそこ厳しいんだ。」


(そうだった・・なんかむしゃくしゃして厳しい世界にしたんだった・・・もっとチートみたいな設定で書けばよかったのに・・・わたしのばか・・・)


「じゃあ次つく場所がアジト?」


「いや。まだだ。」


「え?まだあるの?」


「ああ。まだまだあるなあああ(遠い目)」


「うそでしょ!もうあと数回もしたら酔ってしまうわ・・。」


「冗談だよ。次でつく。」

「許してくれ。こうでも言ってないと、緊張であたまがおかしくなりそうなんだ。」


どうやら私は、場慣れしているようだが、他はそうでもない。

むしろ場慣れなんかしてたまるか。


「大丈夫よ。落ち着いたら行きま」


「あ!思いだした。」


「びっくりしたわ。なに、どうしたの?」


「でも、大した情報なのかわからないし・・・」


「大きな収穫じゃなくても大丈夫よ。教えてもらえないかしら?」


「たぶんだけど、ボスの名前だ。アザーって呼ばれてた。」


(どこかでアザー聞いたことあるなあ)

はっきりと思い出せないが、なにか引っかかる、そう思い特徴を聞いてみることにした。


「アザー?見た目は?」


「いつも顔を隠してるから、わからねえ。男で、たぶんかなりの金持ちだ。たっぱもそこそこあったはずだ。」


「髪の毛長かったりしなかった?」


「いや・・」

「まてよ、長かったぞ。そういえば」

「ああ、紺色っぽい髪色で長かった。」


「たぶんビンゴね!」

思わず笑みがあふれてしまう。

勝利を確信したのだ。


「おいおいおい、何笑ってんだ」


「わかったの!今回のボスが!」


「まじかよ。誰なんだ??????」

「貴族階級のやつらなのか?」


「残念!はずれ!正解は、隣国のクソガ・・ん・・王子よ。」


「そんなことあるのか?!?!」


「まあ、王位継承権がまず回ってこない王子だから、好き勝手遊んでるって有名なのよ。」


私は昔、彼と面識があった。

この国は、他国の人間の出入りが自由なのだ。ただ、この国の人間が外に出るには手続きがめんどくさい。それだけのこと。


ある日、幼いアザーが迷い込んでしまった時、たまたま私が助けたのだ。

それからというものずっとストーカーまがいなことをしてくる奴だった。

王位継承の可能性はほぼないものの、権力者であるためなかなか強い対応に出れなかった。

しかし、ここ最近落ち着いていたため、もう大丈夫かななどと思った自分を恨みたい。

やはりとんでもねえやつだったのだ。

(まあいいわ。これは立派な犯罪だし、隣国との取引につかえるわね。)



「というか王子の周りの奴は、この国のひと?」


「金持ちの遊びに巻き込まれたってのかクソ」

「たぶん、ちがう。なにも能力を使っているところを見たことがない。」


「そう!それは最高ね!早くいきましょう!勝ったも同然だわ!」


どうしてこんなに自信満々なのか不安そうな表情をみせていたが、わたしは、待ちきれず、みんなをせかした。


そうして、私たちは、ボスのもとへ向かった。





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