第3話 作戦会議とそれから

「まず、ダメもとで聞くけれど、警備隊を呼んでそのアジトに突撃するっていうのはどうなのかしら?」


さっきまで、和やかだった雰囲気に、緊張感が走る。


「ま、ま、ま、まってくれ。それだけはだめだ。向こうには頭がきれる奴がいて、どういう仕組みかわからねえが、人質が死ぬんだ。なにもわからねえから、ただの脅しの可能性はないことはないが・・・」


「いや、これはやめておきましょう。わたしたちは仲間になったんだもの。少しでも不安になるような作戦は、最終手段にしましょう。」


「あ、ああ。そうだな。」


4人組の顔が、少し安堵した表情に戻る。


と言ったものの、作戦の立てようがない。

なぜなら、ボスの目的を、誰もわからないのだ。

相手の出方がわからない以上対策の立てようがない。


(またここは、得意な賭けに出るか・・・)

そう思ったが、次の取引は自分の命だけではない。

まだ、20にも満たない少女には、背負うものが多い、この決断は重すぎたのだ。







特に良い作戦が思い浮かばないまま、時間がたち、日が暮れ始めた。


(今頃、世間はパーティーだのでにぎわっているんだろうな・・・だれか、わたしが帰ってないことに心配する人はいるのかな・・・)

うまくいかない現状から、ネガティブな気持ちにのまれそうになる。


(だめだ、この人たちのほうが、心も体も疲弊してる。しっかりしなきゃ。)

体に鞭をうって、脳をフル回転させる。


うーーーむ・・・


あっかーん!本当に思いつかんぞwwwwwwwwwwwww


こうなったら流れに身を任せるしかない。


「よし、作戦が思いつかないわ。もうノープランで行きましょう。」


「は?何言ってんだ。」


「大丈夫。賭けには自信があるの。わたし。」


「・・・大丈夫じゃねえだろ!」

「落ち着け。まあ最悪、姫の能力があればな。」

「ああ、だってあの悪魔からも」

「お、おい。それは・・・」


「悪魔?何の話?」


「ほ、ほんとに、記憶がなくなってるのか?」

「よせ。これ以上この話をするべきじゃない。」


「悪魔って何?記憶がないってどういうこと?幼いころの記憶はないかもしれないけど、忘れてることなんてないと思うわ。」


4人組は気まずそうに目を伏せる。

悪魔の話、記憶の話が、気になりすぎて、少しそわそわしてしまう。

しかし、能力のことを忘れてしっまていることがバレては意味がない。

ここはぐっと堪えることにした。


「まあ、いいわ。今はそれどころじゃないものね。もうすぐ悪魔に会うようなものでしょ?」


「そうだな。」

「なぜか安心しきっていたが、ここからだもんな。」


「とりあえず、あなたたちに大人しくついていくわ。そのあと、私が話す機会があれば話をあわせて。」


「おう。」

「じゃあそろそろ出発するか!」


「ええ。ここから遠いの?」


「少しな。」


「じゃあどうやっていどうするのよ・・・」


「もちろん、ぼくの能力さ!」




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