第3話「訂正する力」③

 第一章を読み終えた。東氏、時事の話題をふんだんにちりばめて、とても読みやすい文章にしている。話題が多方面に行き来するので、ふと気づくとなんの話題だったか、忘れてしまう程である。

 しかし、第一章の終わりにまとめと題して、全体を要約してあるので、理解しやすい。

 さて、訂正する力、それを説明するために、東氏は現代におけるトピックから適切な話題を提供する。

 訂正する力、それはよりよく老いていく力だという。生きるということは、過去を訂正しながら前に進んでいくことだ。なので訂正することは当たり前のことでもある。

 しかし、現代の日本、映画では、特にアニメなどでは、主人公は純粋無垢な若者ばかりが目立つ。

 若者が希望をもって、困難に立ち向かうというストーリーばかり。一方、アメリカなどでは、離婚した中年男性が主人公のドラマがけっこう多い。人生の困難を積み重ね、紆余曲折を経て、新たな幸せをつかむ。そういった、やり直しの可能性を持つ主人公が日本では圧倒的に少ない。

 日本では一度失敗した人にレッテルを貼り、再起不能にする。これでは、社会そのものが、失敗を恐れ、萎縮してしまう。

 訂正する力は本当にデリケートな力である。例えば今はやりの論破などには簡単に負けてしまう。なので、訂正する力を育むには、繊細な感性も必要となってくる。

 さて、ここまでが第一章の粗筋、および、私の見解である。

 この感想文、楽しいので、詳細にこの本を追っていこうと思う。次回は第二章です。

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