第3話 幹部

「ねぇ、綾。ほんとにここで合ってるの?いつも着てるカフェだけど。」

「ここで合ってるわよ、正確には入り口の一つだけどね。」

「なるほど、これだから組織の存在自体が明らかになっていてもどこにあるかどうかが不明でそして、幹部のコードネームは割れてはいるが本当に凶悪で活発に活動したりする人たちしか本名がわからないのも納得できる。」

「そうかしら?まぁいいわ、付いてきて。」


再び、付いてきて言われたのでついていくと今度はバックヤードから念入りに隠された地下へと続く道を通って行った、そして、右に行ったり左に行ったり上に行ったりしたに行ったりしていつの間にか十二個の椅子がある円卓がある部屋についていた。

そしてその椅子のうち五つの椅子に人が座っていてその中には前にテレビで見たことのある人もいた。もっとも、街中で熾天使と戦っていたような人たちだけど。


「へぇ、その子が、と言いたいところだが。あってるんだよなぁ。」


一人の筋骨隆々のとこがそう言った、ほかの幹部の部下は基本的にこの場で主以外の幹部と会うらしいのだが俺は筋骨隆々の男コードネーム肉熊マッソーだ、そして二番目にメディア露出が多い人だ。因みに一番多い人は今は来ないだろう留置所なのだから。


「え、姉御とこの筋肉馬鹿はこの子に会ったことあるの?いいなぁ、私も会いたかったなぁ。あ、私はうーん、別に本名でもいいからコードネームにしよ私のコードネームは奇術師マジシャン能力はまぁ、ありえないことを現実にするみたいな能力かな、きちんとして能力名は言えないからね。」


今度は一人のロリ?いや、なんとなくメスガキの感じがする一人の女の子が話しかけてきた、奇術師は聞いたことがある。曰く、暗殺者兼怪盗と。


「やぁ、僕は能力は千重、文字通りなんでも千重にしてしまう能力さ。味方にも敵ににも付与出来て、味方の有利になるようにできるのさ。コードネームは重複ダブさ。よろしく、おそらく表でも会うことがあると思うけどね。」


と、一人のイケメンがそう言ったこの中で唯一フードをしていないのだ、そして最後の言葉の意味がわからないが。


「今日来れる人はこんなもんかな。」


「そうなのか、姉御。」


「えぇ、そうね。あの創造者クリエイターは部屋にこもってるでしょ、爆炎ボマーは地方でしょ、殺戮者ナイトメアは留置所で明後日に移送でしょ。月影ルナルガは潜伏、剣聖ソード癒ス者ヒールは任務、そして、最凶サリエルは風邪でしょ、ほら全員だ。」


「そうだなって、え?サリエルが風邪なの。」


どうやら、みんなはサリエルが風邪なことに驚いているようだ因みに俺は何のことかわからないし、綾は紅茶を飲んでいるからね。


「姉御、そろそろ本題に入ってあげた方がいいのでは?」


俺が困惑しているのを察したのかダブが姉御にそういってくれた。


「あぁ、そうだな。顔合わせが終わったということで、本人から自己紹介をしてもらいます。」


いやいやいやいや、え?マジかよ。


「あの、姉御、その。コードネーム、伝えてもらってないんですけど。」


「え?ちょっと―、綾ー伝えてないのー?」


姉御が綾に向かってそう言うと俺の隣で座っている(ちなみにだが俺は立っている。)綾が露骨に目をそらして、ヤバと言った。


「はぁ、伝えてないんだね、命名担当のナイトメア曰く、お主の能力から連想できたコードネームは、原操者アトムだ。」


「わかりました、遠藤薫、原操者の仮初ノ名コードネームを謹んでお引き受けいたします。」


「片ぐるしくしなくてもいいのにね。」


「それはそうだな、アッハッハッハ。」


「ロールプレイはしてみるものでは。」


「いや、いらないと思うけどなぁ。」


「あの、諸君自由にするのは構わないがこれから重複と肉熊、原操者の三名に暴れてもらう、重複は新宿、肉熊は原宿、そして原操者は渋谷だ。今日から教育隊の第三期が実戦での活動が開始される日だからな厳重注意のやつを探し出すためだ、あと瞬刻は原操者を見守ってやってくれ、そして危なくなったら助けてやってくれ。じゃあ頼んだぞ。私は創造者と一緒に動画からデータ取るからな、よろしく頼むぞ。」


「「「ッハ‼」」」


そして俺は、池袋の近くの出入り口まで綾の道案内でたどり着きスクランブル交差点を目指して歩き出した、そして入って来たところとは別の場所、居酒屋から出るときに綾から創造者が作ったサイズも自動調節される認識阻害の付いた白い糸でユリの柄が書かれた黒色のローブをもらった。

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