第5話 忍び寄る危機






「誠一。耐えられないよ。」


「誠一兄。気持ちを聞かせて。」


あかねとこはるが僕に迫って来る。


「えっ?えーーーーーー‼︎」


二人の柔らかな手のひらと細くしなやかな腕と指が僕の腕に絡み合う。







「ねぇ。どっちを選ぶ?」








ーーーハッと、自室で目を覚ました。


「ゆっ、、、夢か。」


汗をかいたのか、シャツが汗で湿ってる。



ふぅと息を吐くと天井を見上げた。


「これからどうしようか、、、、」


静かな空間に時計の音だけが聞こえる。





ーーーーーーーーーーー




ここは、田舎から少し離れた中規模のイベント会場。


そこでは、魔法少女みこりんオンリーイベントが開催されていて、たくさんの人で賑わっている。


「こっ、これが幻のコミケ‼︎」


僕は、目を輝かせながら会場入り口を前にする。


会場の敷地では、好きなキャラクターの衣装を纏ったコスプレをした男女や写真を撮る人もいる。


待ちに待ったみこりんオンリーイベント‼︎


実は、イベントに参加するのは初めてで、いつもは両親の農業を手伝いながらお小遣いを貰って、通販でグッズを買っていた。


まずは入場券を手にパンフレットを買おうと入り口に入ろうとした時、あるレイヤーに注目が集まり仕切りにカメラのシャーターが切られ集団化している。


よく目を凝らしてみると、そこには、、、





「あかねとこはる‼︎」




魔法少女みこりんのコスプレをしたこはるとみこりんに敵対する悪役魔女のコスプレをしているあかねがポーズを決めていた。


「何をしてるんだ!二人とも‼︎」


僕の声に気づくと二人ともバレたと顔をした。


二人とも完璧という程のコスプレだが、僕の目を欺く事は出来ない。


僕は、集団をかき分けて二人の手を掴むと少し距離を取る為、会場敷地内にある公衆トイレ前まで二人を連れて走った。



「まったく。二人してどうしてここに?」



僕は息を切らしながら数段の階段に座る。


「だって、誠一兄の部屋を片付けてた時にイベントのチラシを見つけたもん!」


「それをこはるちゃんとテスト勉強中に見つけて、こっそり着いて来たの。」


にっこりと笑うあかね。


片付けてたんじゃなくて、漁ってたの間違いだろ。


とにかく、こはるはともかく、あかねのコスプレ衣装は露出が多くて、あかねの大きな胸や細くてしなやかな太ももが露わになっている。


目のやり場に困る。


僕は、羽織っていた上着を脱いであかねに被せた。


ティシャツ一枚で寒くはなるが、とにかく、これ以上、あかねの露わな姿を誰にも見せたくなかった。


「ちょうど、寒かったんだよね。ありがとう。」


「あかね姉!ずるい!」


いつの間にか仲良くなったのかこの二人は?








すると、僕達の背後から不穏な足音と共にガラの悪い3人組がやって来た。





「へぇ。いい女連れてるじゃん。俺達にくれよ。」















































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