第3話 (戸惑う気持ち)






ここは、黒崎高等学校。


生徒会室の秘密部屋。


秘密部屋というのは、生徒会長特別の専用部屋なのだが、、、。


「あははっ!モテモテで羨ましいじゃないか。」


ケラケラとお腹を抱えて笑う美少年。


一条蒼太(16歳)


生まれながらに金髪に青眼な事もあり、あかねに劣らず、容姿が良い事になかなかのモテ男だ。


僕と同じクラスメイトで、生徒会副会長を務めながら、唯一、会話の出来る人物だ。


「笑い事じゃないだろ。なんで、僕みたいな陰キャオタクが、女子に振り回されないとならないんだよ!」


「いいじゃないかよ。人生最大のモテ期って事で。全部使い果たしちまおうぜ。」


「ここで、使い果たすのは嫌だ‼︎」


すると、さっきまでケラケラ笑って面白がっていた蒼太が深妙な顔となり、僕の肩に腕を回してきた。


「ほーう。学校、、、。いや。町一番の美女に恋迫られてる上に腹違いの従兄妹にも迫られてて、モテ期を使い果たすのが嫌だと⁇一生彼女いない歴年齢のお前がよ。」


グサリッ。


その言葉に思わず胸が抉られる。


「このチャンスを逃したら、きっと、永遠にお前はどー」


「わーーーー‼︎分かった‼︎分かったから‼︎それじゃあ、僕はどうすればいいんだろう。今まで、女の子にモテた事なんてないし、告白した事もないし。」



しばらくの間、蒼太は天井を見つめた後、何かを思い出した様に言った。


「ふーん。何かしら二人には誠一に惚れるきっかけでもあったんじないか?」


「きっかけ?」


「あとさ。」


最後にニヤニヤしながら蒼太は爆弾発言をした。


「生徒会長が美野あかねを狙ってるって噂。誠一は知らないだろ?」





「は?はーーーーーーーーーーーっ?」






学校が終わると僕は全力疾走して自宅に向かった。


生徒会長があかねを狙ってる?


生徒会長があかねを狙ってる?


生徒会長があかねを狙ってる?



そればかりが、頭の中を埋め尽くしていた。


あかねの家はすぐ隣だ。


もぅ、告白されたのだろうか?


されていないのだろうか?


あぁ、気になる!


でも、そもそも生徒会長って、どんな人だったっけ?


「誠一兄ーーー‼︎たっだいまーー‼︎」


こはるが元気よく、僕の部屋の襖をスパーンと開けたのだ。


「こはる!ナイスタイミング‼︎良いところに来た!」


「はっ?何?」


「今の生徒会長って、どんな人なんだ。」


ずるっとすべるこはる。


「誠一兄ってば、今まで知らなかったの⁉︎自校でありながら‼︎結構、有名な人だよ‼︎」


「そっ、そうなんだ。みこりん以外、興味が持てなくて。」


「それ、重症。」


それを言われると、また、グサリ。


「うーん。じゃあさ。教える代わりに私とデートしてよ。」



「デッ、デート⁉︎僕とこはるが⁉︎」


えぇーーー‼︎























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