第11話 変化





僕は仰向けになって、自分の部屋の天井を眺めていた。


せっかく、買ったイベントのグッズは手付かずのまま部屋の隅に置きっぱなしだ。


イベントの途中で怪我の治療をあかねがしてくれたが、都心からボロボロで帰ってきた息子を両親が見て、驚いて、怪我の理由を聞いてきたが、階段で転んだと言った。


メガネも壊れてるし、両親は納得していない様だったが、何か事情を察して、息子が帰ってきた事に安堵してくれたようだ。


で、今に至る。




「、、、、、、、、。」



頭に浮かぶのは、あかねが僕にキスをしたシーン。


唇の感触。



何なのか分からない、感情が行く手を彷徨っている。



ただ、女の子と初めてキスをした。


それを意識した途端、かぁっと顔が赤くなった。


いやいやいや!

きっと、いつもの気まぐれってやつだ!

そうだ!

全く、あかねってば。どれだけ僕をからかえば、気が済むんだろう。


顔を左右にブンブンと振りながらフッと一瞬よぎった考えを打ち消した。


でも、このままではいけない。


僕も前に進まなきゃ行けない。





あかねのように僕も前に進むんだ!


だって、僕にはあかねが、、、友達が居るんだから。


もぅ、何も怖く無い。


勇気を出せ!





変わる時が来たんだ。




僕は起き上がって、決意を固めた。




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