第9話 非情な現実、そして、、、

9話

非常な現実とそして、、、






「あかねーーー‼︎」



あかねの悲鳴を聞いた途端に僕は、噛み付いていた赤髪の男から顔を上げてしまった。


その瞬間に右頬に激しい衝撃と痛みが走り、僕はすぐに殴り飛ばされてしまった。



しまった!



あかねは2人の暴漢から無理矢理に公衆トイレの方へと体を引っ張られて、必死に抵抗していた。


しかし、相手は男2人だ。


か弱い女の子のあかねが敵う相手じゃ無い!


僕はすぐにあかねの方へ駆けつけようとした。


でも。


「面倒な事すんじゃねぇよ!ムカつくなぁ。お前。ボコさねぇと気がすまねぇ!」


赤髪の男は、力を込めて思いっきり、僕の腹部に蹴りを入れた後、何度も頭や顔、体を強く踏みつけた。


「うぐっ!」


痛い!痛い!痛い!


体中が痛い!殴られる度に僕は呻き声を上げた。


それを赤髪の男は楽しそうに笑う。


あかね。あかね。


意識が遠のく中、手を伸ばす。


届かない。


助けたい。


薄れゆく意識の中、あかねは僕が羽織らせたダウンを引き剥がされて、露わになった衣装、ボディーに2人の暴漢が興奮した。


「スッゲー!いい体してんじゃん‼︎」


「大当たり‼︎俺達ついてるぜ!」


堪らず、巨漢の暴漢が乱暴にあかねのたわわに実った柔らかな大きな胸を鷲掴みにする。


「嫌っ!!触らないで!」


あかねは、すぐにその汚い手を振り払い胸を両手で覆った。


「お楽しみはこれからだよ♡」


よだれを啜る様に汚らしい顔で、二人組の男はあかねの体を再び掴み、公衆トイレへ引っ張る。


あかねは助けて!と必死に悲鳴をあげて、泣き叫ぶ。



赤髪の男も僕が地面に這いつくばっているのを見て、満足すると二人組の男に合流する為にそっちに向かって歩き出した。




「いっ、、、行かせない。」



僕は、渾身の力を振り絞って、赤髪の男の足首を掴んだ。


赤髪の男は驚いた顔をした。


「こいつ!まだ、意識があったのか⁉︎」


「あかねには、、、手を出させない。」



僕はお腹を抑えながら、痛みに耐えて、フラフラと立ち上がった。


それを見た残りの2人組の暴漢もあかねから目を離し、僕を見た。



「あかねは、絶対に守る‼︎」





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