第8話 迫る危機






瞬時に凍りつく空気。



3人組の暴漢がジリジリとニヤニヤしながら距離を僕らに距離を詰めてくる。



僕はすぐにあかねを守る様に暴漢から立ち塞がり、震え声ながらも勇気を振り絞って、声を張り上げた。


「おっ、お金は全部差し出します‼︎だから、この子、、この子には手を出さないでください‼︎」


カッコ悪い姿だけど、カッコ付けてる場合じゃ無い!


「はぁ?何言ってんだ。お前。お金も全部。女も貰うに決まってんだろ。」


リーダー格であろう、赤髪ロングの髪を右手でかき上げながら、切り傷のある三角眼の右目でギロリと僕を睨みつけてきた。


「ひっ!」


一瞬だけ、怯んでしまったが、僕の背中で僕の服を掴んで、震えているあかねがいる。


そう、思うと、こいつらにあかねを絶対に渡してはいけない‼︎


その気持ちでいっぱいだった。


僕は赤髪の男の目を見た。


「あ?なんだ、その目は。陰キャオタクのくせにムカつく目してんな。死にてぇの?」


一歩、、、一歩、、、。


徐々に近づいて来る赤髪の男。


「怪我したくなかったら、さっさと、大人しく女を渡せや。」


赤髪の男がそう言って、右袖を捲り上げ、僕に拳を振り上げたその時だったーーーー。



「うわーーーーーーーっ!」



僕は意を決して、赤髪の男に体当たりして、しがみついた。



「誠一‼︎」


背後からあかねの僕の名を叫ぶ声が聞こた。



「こいつ⁉︎離せ‼︎気持ち悪い‼︎」


赤髪の男は必死に僕の髪を乱暴に引っ張ったり、頭や顔を拳で殴った。


その拍子でメガネが壊れてしまった。


殴られたせいで、鼻から鼻血が出て、あまりの痛みに涙が出そうになったけど、赤髪の男の服を噛み締めて耐えた。


この手を離してはいけない!


この手を離したらあかねが危ない‼︎



だが、現実は非情だった。






「きゃーーーーー‼︎」





途端にあかねの悲鳴が上がった。






残りの2人の暴漢が、あかねに襲いかかったのだ。






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