消失




「久しぶりね。ローズ。イアン。」


エリザは、いつもの様に氷の様な表情で言った。


「エリザ!久しぶりー‼︎会いたかっ、、、‼︎」


私が、飛びつこうとすると、イアンが私の顔を片手で押さえて、エリザに左手を差し出した。


エリザは、躊躇せずにイアンの手首に齧り付き血を吸っていく。


その光景を見て私は疑問に思った。


「何で、私の血はダメなのかなぁ?」


エリザは、血を吸い終えると、吸収出来る血には向き不向きがあるのよとだけ、言った。


イアンは、流れる血を止める為に傷口に布を強く押し当てる。


すると、突然。


「ローズ。」


「何?エリザ?」


エリザは、じーっと私を見つめながら、何かを考えている。


「最近、何か変わった事はない?」


「ん?特にないけど。それが?」


「いえ。ないならいいわ。」


「えー!なんだか、気になる!」


「ほら、授業が始まるから行くぞ。またな。エリザ。」


私は、頬をぷくっと膨らませる。


その時だった。


突然、私を包み込む様に黒い炎が燃え上がった。


「何これ⁉︎熱い‼︎イアン。エリザ。助けて‼︎」


イアンは制服の上着を脱ぎ、黒い炎を消そうとしたが、黒い炎と共にローズは姿を消えてしまった。


「相変わらず、トラブルに巻き込まれやすいんだから。」


エリザは、ため息混じりに呟いた。










その時だった。


急に私の体を黒い炎が包み込む様に燃え上がった。


「熱い‼︎熱い‼︎助けて‼︎」


「ローズ‼︎」


イアンが制服の上着を脱ぎ、黒い炎を消そうとしたが、エリザが止めた。


黒い炎が強く勢いを増したかと思ったら、今度は小さくなり、ローズの姿と共に黒い炎は消えた。


「黒魔術の一種ね。あの炎に触れていれば、術者の呪いを受けるところだったわ。」


エリザは、そう言って、ため息をついた。


「本当にトラブルに巻き込まれやすいんだから。」















































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