第6話 第二種接近遭遇……➁
「そっ……そんな事は分かってますわよ!! でも私達の方が先に到着しているのに……
(なんだあのおこちゃまは? もしかして
これから行うレースは、ただ“私有地内だから”という
だが、ネット上で
だから……そんな黒とも白とも言えない場所に
「おいおいガキンチョがこんな所で何やってんだよ……」
思わず
― ಠ益ಠ# ビシッ ―
……信じてくれとは言わない。だが、俺は本当に“ケンカを売るつもり”なんて無かったんだ。ただ、ほんの少し……ほんっの少しだけ独り言のボリュームが高かっただけで……
「何やて?!?!! ウチゃあこれでも
結果……なんかやたらめったらラ行の多い罵声を凄いスピードで浴びせられてしまった……
俺の隣で頭を抱える
「なんか……ごめんなさい」
誠心誠意の謝罪を
――――――――――
「それでは気を取り直して……今夜のレースにおける
俺の不用意な発言で一悶着あった後……対戦相手の
裁定者の難解な説明は必要な手続きでもあるから仕方ないが……要約すると次の五つが規則の要項だ。
1、機体に使う燃料は主催者から供給される定量の
2、機体重量は
3、動力の始動以外に機体外部からの電力の供給は認めない。バッテリーの積載は認めるが当然最大重量をオーバーする事は認めない。
4、レースはコース範囲内に設置された“
5、対戦機体への攻撃はコクピットへの直接攻撃以外は全て
これらの詳細が
「以上の五つが主な競技規則になります。詳細な補足事項は添付したテキストデータにて御確認下さい。何かご質問等は御座いませんか?」
最後に質問の時間がやって来た。
俺と錠太郎は補足事項を含め、全ての項目に目を走らせた。と、言ってもこのレギュレーションは既にネット上に出回っている情報なので、やっているのは“既知情報との食い違いが無いか?”の確認だけだ。
姉御(あれから色々とあって
「なあスカさん……いくつか教えて欲しいんだが……」
俺はレギュレーションの補足事項を確認しながら本部の裁定者に質問すべく手を上げた。
「……………………………何でしょう?」
何だよその間は……呼び方気に入らなかった? 親しみを込めたつもりなんだけどな。
「ちょっと不思議なんだけどさ……このレギュレーションだと“モーターゴーレム同士のプロレス”にならねぇの?」
そう……まどろっこしいレースなんかしないで“相手を直接ヤッてしまえばいい”と考える者が居るのでは?
「ふむ……お答えします。確かにそういう考えに至る者は一定数居ますが、現実的に考えて実行は難しいでしょう。仮に“相手の機体を壊す事に特化した機体”を用意したとします。対戦相手がレースを想定した機体の場合……まず間違い無く
……なるほど。確かに言われて見ればその通りだ。しかもコースの成り立ち的に一度通った場所は二度と通らない。これでは待ち伏せも出来ないな。
「ただし……極めて稀ではございますが、対戦者同士が同意を持って“相手の機体を破壊して決着を付ける”事を望む場合が存在します。その場合は……特別開示条項“
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます