6.鋼の少年! 科学の子
【あらすじ】
鳥を追って姿を消してしまったヒーローの
褐色ポニーテール:カケルと可愛いもの大好き青い小動物:レンである。
マコトの消息を探っていると邪悪なショタコンだけがなるゾンビ──〝
果たしてふたりは無事にマコトを見つけ出す事が出来るのか!?
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がしゃんごろごろ!
太陽エネルギー不足で急停止したバイクに
お尻を打ち付けて「ふにゃっ!」と情けない声が出た。
「いてて……レン大丈夫?」
「人の心配より自分でしょう。すごい飛んでましたよ」
「なにその
ボロボロな僕に比べてレンはホコリひとつない。
というか、いつの間にコスプレしたんだコイツ。
……っても、見た目はそんなに変わらず青い小動物。
アニメ風コウモリの顔がプリントされたフード。
穴が開いているのか横から短めのツインテール。
口には布マスク。
服は改造されたセーラー服のみたい。
腕あたりの布は多く、萌え袖?ってやつ……なんかぶりっ子がする。
「あー、鏡に映ってないから
「なんかそのロッ●マンみたいな足、ふわふわしてない?」
「ああ、足音を消す為か少し浮いてるんですよね」
「ドラ●もんじゃん」
すぐにこんな例えが出てくるなんて
「そんなことより今の騒ぎで近くのゾンビたちがまた集まってくるかもしれないからどこかに隠れよう」
僕が周りをきょろきょろと見渡している隙に早や着替えでもしたのか服装が元に戻るレン。
手を引いて走り出す。
「バイクは置いて行っちゃうんですか?」
「僕が思うに映像の小屋はもうすぐだ。バイクより歩いて行った方があの
それに今の停止位置なら木の隙間から漏れる太陽光を浴びられる。
お手上げになってすぐ逃げなちゃいけない場合カ●ダバイクには充電しておいてもらわないと……。
マコトの行方を探っているドローンに映った
僕を狙っていた
それすら知らずに敵の本拠地に攻め入ろうとしているのだ。
──命知らず過ぎないか僕等? バカなのかな。
マコトがそこにいるって前提の作戦だ。
考え事をしていたらなにかに頭をぶつけた。
がごんと、お尻に衝撃があってもなんともなかったのに頭の場合意識が飛びそうになるくらいにいたい。
「いたた……なに? 鉄。なんでこんな森の中に──」
痛みのあまり腰を落としたが、顔を上げると原因がそこに立っていた。
棒立ちで、無感情に、無機質に。
なんというかブリキの美少年?
しかし不気味の谷現状は感じない、あまりにも精巧に作られたショタだった。
英国ゴスロリ少年服を着た、金髪。
──未成熟の美を体現したような存在。
「なんですか。このシュミの悪い置物は。……肌白いですね」
「捨てられた人形とかかな──」
「人間、ショタッコ。初メテ、見マシタ」
「うぎゃ! しゃべりやがりました」
何のカラクリか口を動かす。
瞳の中からぎゅいんぎゅいんと音が鳴って、多分だけどピントを合わせている。
レンは警戒して僕の後ろに下がった。
「えっと、お前はなんでこんなところにいるのかな?」
「博士ガ、日ガ昇ッテイル時間ハ自由ニシテ良イッテ」
「……博士? つまりゾンビ世界でこんな見た目のロボットを作って一緒に暮らしている変人がいるってことですね。変態確定です。通報しましょう」
「イエス、博士ハ
「認めちゃったよ」
それにしてもこのロボットショタ、僕等の言ってることをちゃんと理解して返答している。
学習型AIを搭載しているのか、それとも博士と呼ばれる人物が遠隔操作しているのだろう。
どちらにしても変態発明家
「名前は? 僕は
「
「ミーハ〝アトムス〟。博士ガ作リ上ゲタ超絶美少年型ロボット」
「自分で超絶美少年って、正直イタイですよ」
「レン、特大ブーメラン投げたけど大丈夫そ? ちゃんと受けきれる?」
無表情に、無機質に、ぺこりと頭を下ろす。
その後ろから禍々しい影が近づく。
「おや、アトムス。お友達が出来たのかい。素晴らしいじゃないか」
「──っ!?」
「博士。紹介シマス、カケルニレンデス」
ロボットは〝それ〟を『博士』と呼んだ。
見るからにおぞましく、ヒーロー番組に出てくるような悪の怪人。
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