第2話 モリィ
朝食と顔洗いを済ませてからオレはアルテミスと共に広場へと歩き続けた
「クレタさま、後もう少しで広場デスヨ…あの月に向かって歩き続けるのデス」
「ありがとうアルテミス」僕は前を向いて言った
それから数十分歩き続けると広場の旗が見え始めてきた。
「あれデス。クレタさま」
「着いたね。意外とすぐだったよ」
門がオレの目の前に待ち構えていて、石で作られた道が門の先に広がっていた。
どうやらここが赤の国の広場なのだろう。
この広場を一見しただけでも他の国よりも文明が発達していることが感じられた。
その時奥の方から赤の国の王が演説をしている声が聞こえてきた
「赤は革命。何事も保守的な考え方は捨て、この赤の国は新しい事に特化していこうではないか‼︎」
その時国の民は歓声を上げた
「凄い…」オレは咄嗟に呟いた
数分ほどで演説は終わり、僕は国へ感謝を伝えに広場の真ん中へと立った
これまでの時間の感謝をやっと伝える時が来たのだ。
「クレタさま、今までの感謝を伝えるのデス」
「うん、分かっているよアルテメス」
オレはこれまでムーンフォレストの宿命から逃げてきたんだ。
失ってきた信頼と感謝をこの世界に広げて行くのだ
「これまでの間、僕がムーンフォレストの宿命から逃げてきた。この時間…」
オレは続けた
「ありがとうございました」涙と共に出た言葉はそれだけだった。
オレはこの感謝の伝え方が緊張のあまりなにも言葉が出てこなかった
広場はあっという間に静まり返った。
僕はこんなものではダメだと思い、話を続けた。
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