第19話 UD
「クレタさま、いけません。このままでは森を、世界を破滅に導く王になってしまいます」
ルーナはクレタの肩に乗り、優しく話しかけると光を放ち始める。
光は白から黄、赤、黒、青と色を変えていく。
すると月の紋章がルーナの光に合わせるように光を放ち始めクレタを包みこんでいく。
世界の始まりの白。
この地に降り立った一族の長はこの地の若者と恋に落ち、天には戻らず、この森に根を下ろしこの森の王となった。
世界の広がりの黄。
長は秩序を重んじ、周辺の種族を統べていく。夫となった若者は長と共に森の周辺を旅し、そこに住む様々な種族に平和と共存を訴える。
世界の統一の赤。
森を中心とした各種族間連合が成立し、天から降り立った長は王となる。王は天の力を使い森を育て、周辺の種族も天からの力の恩恵を享受し発展していく。
世界の深淵の黒。
森周辺の種族の中に王に従わない者が現れる。長が降り立つ前の混沌こそがこの世界だと信じる者たちだった。その闇は王の光の中に溶け込みなくなったように見える。
世界の繋がりの青。
川や空、この森の全てを繋ぐ水の流れは王の力をこの世界、ムーンフォレストに行き渡らせる。
「ああ、そうか。そうだったんだね。ルーナ、ありがとう」
光の中でクレタは優しく微笑む。
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