第10話 UD

「貴様、なぜこのような事を! クレタ様に害をなす者はただではおかぬぞ!」

 黒髪の男の言葉にハレーが反応する。


「ふん! 青の国が口を出す問題ではなかろう。それとも青の国も我らに仇なすつもりか!」

 黒髪の男はクレタに視線を向け直すと今度はクレタに向けて話し始める。


「貴様もとっとと紋章を渡して楽になりたかったのだろう?」

 そう言うとクレタに向けて歩き始める。


 どういうことだ?

 この人は何を言ってるんだろう?


 月の紋章? 楽になりたかった?


 ジェーナの言う王の血筋って言うのもわからない。


 オレは、オレはいったいなんなんだ?


 黒髪の男が近づいてくる。

 動けずにいるオレの前に、ハレーとジェーナが立ち黒髪の男と対峙する。


「ほう。お前たち二人で俺を止められるとでも思っているのか? この地、ムーンフォレストの力を最も発揮できるこの場所で!」

 ニヤリと笑うと瞳が黒く光り始める。




書き手:UD https://kakuyomu.jp/users/UdAsato

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