第7話 KKモントレイユ

「な、なんだ?」

 クレタは自分の首元で光を放った石に驚いた。


 ハレーもクレタの首に掛けられた石を見て驚いた。

「それは『月の紋章』ではありませんか……そんなものをどこで……それは月光石。月の光を集めて作った石を磨き上げたものです」


「宝石なの?」

 不思議そうに聞くクレタ。


 ハレーは首を振り、

「宝石? そういう種類のものではありません。それは『人に力を与えるもの』『邪を祓うもの』『人の心を惑わすもの』ときに『国を治める力さえ持つもの』かつてある民だけが、その石を作り美しく磨き上げる技術を持っていた言われています」


「月の紋章……」もう一度、石を見つめるクレタ。


「と、とにかく、そんなもの、あまり人目につかないように……」

ハレーは小さく身震いして我に返るように言う。


「う、うん」

 クレタは石を服の中にしまった。心なしか胸元の石が温かくなっているように感じた……が、すぐに温度を感じなくなった。


 しかし……誰もかれも自分のことを『クレタ様』と呼ぶ……

 ルーナはどうやらこの男を警戒していないようだ。




書き手:KKモントレイユhttps://kakuyomu.jp/users/kkworld1983

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