第七章 壁の話


子供って、ほんと不思議な行動をしますね。


うちの子供も、そうだが、よく壁と話す子の話を聞く。


じっと、壁を見ているかと思えば、なにかブツブツと話している。


時々、笑ったりして。


よく聞いてみると、ちゃんと会話をしているようだ。


「へぇー、そうなんだ。面白そうだね。」なんて。


気味悪いけれど、子供の一人遊びだろうと、放っておくと、そのうち、子供の姿が見えなくなっている。


家の中を探しても見つからない。


外へ出たのかと、あちこちを探すが見つからない。


そして、捜索願いを出すが何年経っても、見つからないまま。


もしかしたら、壁の中には、なにか得体の知れないモノが住みついているのかもしれない。


壁と話す事のないように、子供の面倒を見て、遊んであげる必要がある。


寂しがり屋の子供を狙って、今日もまた、壁の中から話し掛けている。




壁に向かって話す子供を見かけたら、放っておいてはいけない……らしい話。






ー第七章 壁の話【完】ー

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