第5話 道場に気になる女子がいた!

 翌日の日曜日の朝8時30分、快晴の天気の休日に祖父の経営する合気道道場の畳の上に立っていた。


 「合気道の道着ってスカートみたいな物を履くから、何か格好悪いな~」


 秋葉は祖父が用意したピチピチのサイズの合気道道着に身を包み1人ポツンと道場の片隅で祖父や道場生が来るのを待っていた。


 「あれ? 弱虫のあんた、来てたの!」


 秋葉の後ろで聞き覚えのある女子の声が聞こえてきた。


 「酒井???」


 秋葉が後ろを振り返ったら、クラスメートで、いつも秋葉をからかってくる酒井が立っていた。


 「何をびっくりしてるのよ、私はあんたの爺ちゃんの道場に通ってるのよ」


 「護身に役にたつから親に無理矢理通わされてるんだけどさ~」


 酒井は合気道に、あまり興味が無いのかため息交じりに話す。


 「普段の酒井は小生意気で腹が立つ女子だが、巫女さんのような袴姿の合気道道着に身を包んでいる姿を見ると........」


 「正直、めっちや可愛い!」


 「髪をポニーテールにしているのもポイントが高いし..........」


 秋葉は心の中で酒井の姿を批評しながら小躍りするような気持ちで喜んでいた。


 「ひとし、えらく早く来とるな〜!」


 秋葉の祖父が合気道の道着を着て道場に入ってきた。


 「これが、俺の爺ちゃん?」


 「確か、俺の爺ちゃんは性格が温厚で優しい顔つきをしていたはず....」


 「こんなに精悍な顔つきで目つきも鋭くなかったぞ〜?」


 秋葉は不良に殴られて気絶してから自分を取り巻く環境が劇的に。変わっている現実が受け入れられないらしい。


 


 

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る