第3話

「おかえり、お兄ちゃん」


「ただいま」


「ねぇ、お兄ちゃん!!」


「どうしたの?」


「・・・一緒にテレビ見ない?」


「・・・」


痴漢の冤罪に掛かってから家族も俺を責めるようになった。


妹も当然含まれている。


昔までなら、わざわざこんなことは聞いてくる必要はないだろう。


自然とどっちかが見ている横に座りテレビを見るような流れになっていたと思う。


だが、今は違うのだ


「お兄ちゃん、早く・・・一緒に見よう」


「・・・」


妹も言葉明るいし、笑顔だが何処がぎこちなさを感じる。



やっぱり、事件の時に俺を殺そうとしたことをトラウマに感じているのだろう。俺もだが、


「・・・ねぇ、・・・見ようよ」


「・・・今はいいかな」


「・・・えぇ、見ようよ。」


「とりあえず、俺部屋に行くから。」


「部屋・・・うん」


ーー


ほぼ何もない空っぽの部屋。


あるのは学校の道具と携帯と、目覚まし時計とベットだけ。


家族にほぼ全て捨てられたからなぁ。



天井を眺めて、あったことを嫌でも思い出し、ぼーとする。


ーーー


「お兄ちゃん、おはよう」


「・・・っ!うわぁ!!居たのか」


いつのまにか寝て居て、起きたら妹が居た。


「お兄ちゃん、ご飯なのに、降りてこないから。」


「・・・そうだった」


冤罪の時は、ご飯も前は、部屋に持ってくるようになって居たが、冤罪だと判明して、下に降りてみんなで食べることになっている。


「ごめん、今日はここで食べる」


「・・・出来れば、お兄ちゃんも一緒に食べたい・・・な」


「ごめんな。今日はそう言う気分じゃない」

春とも話したし、食事が余り進みそうじゃない。そんな時に家族と一緒に食べるのは流石にきつい。


「分かった。食事だけ取りに来て」


「そうする。」

家族と話して、こうやって一人でも食べていいことになっている。ただ食事くらいは自分で取りに行くことになっている。


ーーー

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

次の更新予定

毎日 23:56 予定は変更される可能性があります

冤罪でもう遅いになったけど、ほっとけない 激 辛 @eaconnn

★で称える

この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。

フォローしてこの作品の続きを読もう

この小説のおすすめレビューを見る

この小説のタグ