第13話 作家からのギブ5 たまには冒険してほしい。
●作家からのギブ たまには冒険してほしい。
今回は作家から読者へのギブです。
冒険とは、たまにで良いので、いつもとは違うジャンルの作品を読んでみてほしい。ということです。
理由は簡単です。
カクヨムはファンタジーとラブコメがひたすら強いですが、特定のジャンルが強くなり過ぎるのは、読者にとっても作家にとっても、良い事とはいえないからです。
ファンタジーもラブコメも面白いです。自然界に例えたら、ゾウとライオンが強い。みたいなもんです。でも、一強になって繁栄し過ぎた種は、天敵ウィルスの出現だけで、あっさり全滅したりする事があります。
で、現在考えられるウィルス役は、AIさんです。
「え? この前はAIさんはAIさんだから安心しろと言ったじゃないか」
みたいな声が聞こえそうですね。ですがその回では、AIさんが有利なジャンルもある。とも書きました。実は、テンプレファンタジーとテンプレラブコメは、モロにAIさんが有利なジャンルなのです。
理由は、テンプレートに沿って書かれる事が多いからです。「面白い」の最適解が、既に明確に出来上がってしまっているのです。
単に面白い、怖い、上手。そういった領域では、人間はAIさんには勝てません。今でこそ人間有利の状況ですが、これが来年であればどうでしょう。五年後、十年後であれば?
AIさんは、恐ろしい程の進化を遂げているでしょう。それこそ技術だけではAIさんに勝てなくなります。
勿論、テンプレ作品であっても、魂が籠ったものはあるでしょう。ですが、テンプレ作品には、込められる魂の範囲が限られているのです。
純文学で例えてみます。
技術(面白い、読みやすい、表現力)5
芸術的要素(魂)5
みたいなパラメータ配分だと仮定します。これがテンプレ作品になると、
技術(面白い、ワクワクする)8又は9
芸術的要素(魂)2又は1
ぐらいの配分になります。これはテンプレ作品を貶めているのではなく、単に、テンプレートで展開や世界観等々、多くの要素が固定されてしまうので、その隙間にしか魂をブッ込めないという、構造上仕方がない問題を抱えているからです。ある程度の「律」やルールに沿って書かれる、技術やお約束の比重が大きいジャンルでは、AIさんが有利なのです。
AIさんが有利と思われるジャンルは他にもあります。
ホラー、コメディ、古典型恋愛です。
単に怖いとか、面白いとか、期待を裏切らないとか、感情を揺さぶる方法が確立された領域では、AIさんはいずれ、恐ろしくハイレベルな作品を生み出すようになるでしょう。
だからこその、冒険ギブなのです。
読書には二種類あります。
楽しむ為の読書と、鍛える為の読書です。
前者はヒーリング。後者は自己投資です。
多くの読書さんには、今のうちに鍛える為の読書を行って、感受性を鍛えて研ぎ澄まして高めてもらいたいのです。そうでなければ、AI小説と、人間作家の小説の違いに気がつかなくなる恐れがあります。なんなら、
「面白ければなんだって良いじゃん。別に人間が書いてなくても良いし」
みたいに、上手なだけの作品にどっぷり浸かって、中毒になっているかもしれません。
こういう未来、好きですか?
まあ、ないとは思いますが、絶対に有り得ない未来、というわけではありませんよね。今も、世では声が大きな人たちのおかしな言い分がまかり通っていて、おかしな主張に疑問を抱かずに支持しちゃう人たちもいる。みたいな状況がちょくちょくありますから。
鍛える為の読書は、そういった子供騙しを跳ね返せる自分を作るためにあります。
たとえテンプレファンタジーやテンプレラブコメであっても、そこに込められた魂に、ちゃんと気付ける読者さんでいて欲しいのです。そうすれば、文による表現分野はAI無双の波を乗り切るでしょう。
そう。今、これを読んでいるあなたこそが、未来の芸術を支えるワクチン役なのです!
また、最悪、新しい波でゾウとライオンが全滅してしまったら、他の種がweb小説を支えなければなりません。その種があまりにも餌を与えられていなくて弱り過ぎていたら、web小説界は全滅するでしょう。
なので、web小説を愛する読者さんこそ、たまにでも良いので、いつもとは違うジャンルを読んでみてくださいね。それが、ゾウとライオンを守る事にも繋がりますから。
また、カクヨムに登録せず読んでいる人も、この際に、是非、登録して色々な作品を読んでみてください。
カクヨム作家が紙の作家と同様に、作品に魂を注ぎ込んでいるという事はもうお伝えしました。彼らには相応の「義」があります。
義を見てせざるは勇なきなり。
それは、あなたがカクヨムに登録して魂を応援する、確かな理由になる筈です★
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