第12話 読者からのギブ5 ヘイトは読んでられない




 ●読者からのギブ ヘイトは読んでられない


 今回は読者としてのギブです。

 以前、とある作品が炎上した話をしましたね。今回はその原因となった要素について触れます。

 一つの現象を作家の立場からだけ言うのはフェアとはいえないので、今回は読者の声を取り上げます。


 まず、カクヨムのコンテストでは、多くの場合、既存作品のパロディや、特定の個人への誹謗中傷は禁止されています。これは著作権等の問題に触れるからであると共に、読者の地雷になる場合があるからです。

 実在する、誰もが知る人をモデルにパロディが発信された場合、特に、読者さんの逆鱗に触れることがあるようです。その怖さを、僕はまざまざと目撃しました。


 その時見た炎上はかなり口が悪い書き込みが多かったけど、中には、ヘイトなりに我々作家も一考すべき問題だなぁ。と、感じる主張もいくつかありました。

 その主張を要約すると、


「個人をモデルに描くにしても、そこには愛やリスペクトがなければ読んでいられない。モデルになった人を愛している読者もいるのだ」


 と、いう趣旨の意見となります。

 今回は個人へのヘイトについて取り上げていますが、本質的なことをいえば、他作品のパロディとかパクリみたいな要素も、読者からの、近しい反応が予想されます。


 これについては、作家としても耳が痛いなぁ。反論の余地がないなぁ。と感じました。勿論、だからといって作品にヘイトを書き込んで良いわけではないのですが、滅多に口を開かない読み専さんが口にする大義みたいなものについては、充分、尊重する必要があります。


 作家の皆さんは、個人へのヘイトや他作品のパロディについては、極力、気をつけましょう。てか、基本的にはやらない方が良いです。コンテストを意識せず趣味でやるとしても、愛のある展開や描写を心がけましょう。作品であれば誰へのどんな悪口でも許される。というわけではありませんよね。

 実際、多くの読者がBanされるまで怒り狂う程のことです。


 作家は読者に、ひいては人間に寄り添う生きものです。寄り添うべき人が大切にしている事についても、極力、大切にしましょう。


 ま、他作品への軽いオマージュであれば、商業作品でもよく見られます。現代を舞台にした作品では、特に多いですね。それさえも一切ダメとなると、作品の現実感や同時代性すらも滅びかねません。


 我々作家としては、せめて、読者がパクリとか馬鹿にしてるとか思わないように、バランス感覚を磨く必要があります。


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