第7話 入学

 システィアから告げられた内容はこうだった。今年12歳のツヅリは、ストリア学園という由緒ある学園に通ってもらいたいということだ。

 この学園には貴族も平民も通っているという。この学園では学力はもちろんのこと、魔法や戦闘と言ったことまで教えてくれるらしい。

 この世界には魔物というものが存在していた。そんな脅威と戦うのなら、貴族だろうと平民だろうと関係なかった。


「まああなたにとっては退屈でしょうが...いえ、あなただからこそできることもあると思います。どうかお願いしてもよろしいですか?普通に暮らしていただくだけで構いません。」

「はい。大丈夫です。僕は行きます。」

「それは良かった!手続きはこちらでしときます!」


 ツヅリにとって学園という提案はとても良いことだった。なぜなら、学園となると寮生活となる。この城での生活は不便では無いものの、もっと1人で色々試したいことも多くある。


「あ、そうそう。スイとレンも一緒に学園に通いますから。よろしくお願いします。」


 笑顔でそう言うとツヅリは少しだけ考え込む。スイ は第三王女、レンは第二王子に当たる。だが2人は珍しく双子であった。

 同い年ということもあり、スイ、レンとは遊んだり一緒に勉強していたりとした。ただ、スイとは仲が良かったが、レンには嫌われているイメージだった。


 そんなこんなでツヅリたちは入学式当日を迎える。同じ馬車にはツヅリ、スイ、レンが乗っていた。

 スイは金髪のサイドテールで青い瞳、一方レンも同じ金髪だが男の子だからだろう、短髪でやはり青い瞳をしている。


「ったく!なんで平民なんかと!」

「ちょっとレン!なんでよ!ごめんツヅリ...。」


 レンは不機嫌そうにスイはそれが申し訳なさそうに話しかける。だがツヅリは気にしない。


「まあどうせ寮で過ごすようになるんです。今日だけですよ、一緒なのは。」

「そんな...悲しいこと言わなくても...。」


 スイは何か小さく呟いていた。まあ聞いても面倒くさそうだったし聞こえなかったふりをした。そろそろ学園に着く頃だ。早速、馬車から降りて入学式の会場に向かう。


 入学式は、簡単にこの学園の説明や学園長の挨拶で終わる。話の内容はシスティアから聞いたことや自分で入学に伴い調べたこともあり、特に新しく覚えるようなことは無かった。

 今日は特に授業はなく、寮に案内された。男子と女子とでは寮が別で用意されていた。それに1人1部屋与えられるらしい。

 寮には簡単なベットやタンス、机が用意されており、服などを持ってくるだけだったので、それほど荷物は多くなかった。


(明日から授業かぁ。面白くあれば良いんだけどなぁ)


 王城の本を読み耽っていたのだ。授業に期待しつつ、ツヅリは眠りにつくのだった。

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