第3話 やりたいこと
「おら!どうした!」
男性がツヅリに向かって叫んでいる。今はツヅリの頼みで手合わせを頼んでいた。だが体も大きく、力も強い、体術だけではその男性には勝てなかった。だけど...。
ツヅリは男性の一撃を受けて地面に転がる。視界は大空を映し出していた。
(勝てなくはないのか...魔法あれば殺せるか)
そんなツヅリに男性は顔を覗かせる。差し伸べられた手を取りながらツヅリは立ち上がる。
「どうした?大丈夫か?」
「はい。ちょっと体調も悪いんで帰ります。」
ツヅリは一礼してその場を去っていった。男性も追おうとは思わない。子供ながらに彼は強い。おそらくあと1年も真剣に修行すれば自分なんて追い越されてしまうだろう。男性は他の子供たちの修行に集中するのだった。
「ごめんくださーい!」
ツヅリが次に向かったのはとある老人の家だ。誰しも魔力は持っているはずなのだが、だからと言って魔法が使える訳では無い。身体能力の向上など比較的簡単なものは無意識でも使えるものはいるが、他の魔法を高威力で扱えるのはここの老人しかこの家にはいなかった。
「おや?今日は魔法では無いはずだが?」
「ちょっと聞きたいことあって。中に入ってもいい?」
老人はツヅリを中に入れる。彼は一人暮らしをしているのはもうわかっている。
「ここにある本、全部魔法?」
「ああ、魔法の使い方など色々なこと画書かれておるのじゃ。」
周りを見渡すと様々な本がずらりと並んでいる。そうなれば、この老人はもう用済みだった。隠し持っていたナイフで老人の胸を一突き。
「グッ!!お主...ファイアー⋯」
老人が魔法を放とうとした瞬間、喉にナイフを更に突き刺す。老人の足元には血溜まりができ、その場に倒れ込んでしまった。
「そういえば、おじいちゃんの死体も初めてなのか。」
先程までは大人の男性や子供たちに興味があったのに、そんなことはもう忘れてしまった。
「あなたの魔法も無駄にはしない」
その日の夜、ツヅリは老人を食べながら家の中にある本を読み漁ったのだった。
老人を殺して3日ほどたっただろうか、休まず永遠と魔法の本を読んでいた。それにやはり老人を食べてから魔力量が増えている。だがその疑問も本の中に書いてあった。
「ストリア物語...実話なんだぁ。」
主人公が魔法使いのおとぎ話、魔法について学べることが無かったのだが、その主人公の敵に食人をしていた敵がいた。彼は元々魔力が少なかったが、食べる度に魔力量が上がっていったらしい。
「おばさん...毒持ったの失敗だったかな?でもお母さん食べても大丈夫だったし、あれは悪魔が取り付いたからかな?」
ツヅリの疑問が尽きることは無かった。だがやりたいことはできた。
「この精神干渉魔法、試そうかなぁ。それで本当に食人が...」
ツヅリは不気味に笑う。試してみたくなったのだ、どういった人物だと魔力量が増えるのか。そもそも本当に魔力量は増えているのか。
とりあえずツヅリは外に出て精神干渉魔法の準備をする。もうツヅリは止まらない。
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