第58話 終わる世界(下)

☆(夏川康太)サイド☆


その日に矢住やモナ、萌葉が来てからお祭り状態になりそして俺は睡眠を取ってから俺は気が付いたら病院に居た。

何故か入院している。

俺は驚愕しながら起き上がった。

それから周りを見渡すと一声があった。


「康太さん!この場所が何処か分かりますか?」


という感じで看護師さんらしき人に声を掛けられた。

他の看護師さんは慌ててどこかに行ってしまう。

俺は何が起こっているか全く分からず「はい.....?」としか反応が出来なかった。

割とマジに何が起こっている?

全然分からない。


「.....夏川康太さん。貴方は緊急搬送されたんです。覚えて覚えてらっしゃいますか?」

「.....いえ。.....どうなっているんですか?!」

「ここは総合病院です。夏川康太さんの家に放火されたんです。それで一酸化中毒で運ばれました」

「.....え?」

「放火事件です」


それから看護師さんは新聞を持って来てくれた。

そこには(○○町の一軒家全焼。放火か)と書かれていた。

俺は青ざめながら「え、え.....」と動揺する。

そうしているとドアが開いた。

そうしてからお医者さんが入って来る。


「初めまして。私は医師の田中です。早速ですが.....検査などの関係で少しだけ体に触れさせてください」


そんな感じで話は進んでいき。

俺は体に触られたりした。

全然頭が付いていかないのだが。

どうなっているのだこれは。


「.....あの。放火ってどういう事ですか?」

「夏川康太さんのご両親も運ばれました。犯人は逃走中です」

「.....!」


(嘘だろ)と思いながら居るとお医者さんが「ふむ。大丈夫そうだ。今から検査しましょう」と言葉を発しながら看護師さんに指示をする。

看護師さんたちは早速と動き始める。


そして俺を検査室に運ぼうとした時だろうか。

その時に「康太!」と声がした。

呼び声の方を見るとモナが泣きそうな顔で居た。


「康太.....良かった。本当に生きていて.....」

「モナ。お前もケガしているがどうなっている.....?」


よく見るとモナは手を火傷している。

俺は「???」を浮かべながら居るとモナは「こんな傷はたいした事ねぇ」と答えながら俺を見据えてくる。

そして「お前が心配だったから見に行ったらこの様だよ。大丈夫」と答えた。

一体本当に何が起こっているのか。


「えっと。糸魚川さん。検査の後でね」

「そうですね」


そしてお医者さんと看護師さんは慌てて俺を検査室に連れて行った。

それから精密検査などを受けてから俺は一酸化炭素中毒にはなったが軽傷だという事が分かった。

火災警報器が鳴ったらしく。


消防車も駆け付けたらしいのだが記憶が無い。

そういえば聞いた事がある。

寝ている間に火災が起こった際がマズいと。


「.....」


俺は考え込みながら外を見る。

(俺の両親は大丈夫だろうか)と思いながら季節が進む外をだ。

それから居ると病室のドアが開いた。

モナが泣きながら入って来る。


「.....康太。マジに無事でよかった.....」

「.....すまないな。何か迷惑を掛けたみたいで.....」

「お前が生きていただけでもそれでもらったもんだ.....だけどまさかお前の家が放火されるとか何が起こっているんだマジに」

「.....逆恨みかもな」

「逆恨みにしてもやり過ぎだ。絶対に殺してやる。康太をこんな目に遭わせた野郎を」

「待て。殺したら駄目だ。お前まで捕まる」


モナは俺をゆっくり抱き締めながら歯を食いしばる。

俺は「すまないけど俺は何も知らない。実況見分とかそんなのしているのか?」と聞いてみるとモナは「当たり前だ。しているに決まっているだろ。外壁が著しく燃えているらしいけどな」と怒り交じりで言葉を発した。

その事を聞きながら「恨まれる奴には心当たりがあり過ぎる。困ったな」と弱弱しい感じで話すとモナが「大丈夫。アタシが根こそぎ吹き飛ばしてやる」と怒りながら話した。


「駄目だ。怒り交じりに動いたらろくな事にならないぞ」

「じゃあどうすりゃ良いんだよアタシは。康太がやられたって言うのに!」

「.....それは死ぬほど分かる。だけど落ち着け。それも相手の作戦かもしれないしな」

「.....」


本気で怒ってモナは怒っている様だ。

これまで以上に俺の命が危うくなったしな。

思いながら俺は目を外に向ける。

それから考えているとモナが「康太。もし良かったらアタシの家で暮らそう」と言ってくる。


「.....話が飛び過ぎだ。.....そんな事できるか。まだまだ乗り越えないといけない部分があるから」

「だけどもう我慢できねぇ。.....康太が死ぬ事がアタシにとっては人生を捨てるより嫌だ」

「モナ.....」

「だから頼む。考えてくれ」

「.....ああ」


そう返事をしながらモナを見る。

正直まさかこんな事になるとはな。

思いながら「復讐にしてもやり過ぎだよな」と考える。

一体誰が火を放ったのか.....。


「康太。.....アタシは本気で心配だ」

「.....気持ちは分からんでもない。.....だけどどうしようもないからな.....」


そんな言葉を返しながら俺は眉を顰める。

それからモナを見る。

モナは俯いていた。

(そりゃそうだろうな)と思う。

俺は多分そのうち殺されるだろうし。

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