第41話 炎上する裏掲示板

☆(田中萌葉)サイド☆


私はその情報を見てからゾッとした。

何が起こっているのか全く分からなかったが数秒間考えてようやっと目の前の情報を理解した。

糸魚川モナに対してSNSの裏の掲示板で復讐をしようと情報が拡散されている。


それは.....金銭問題?などから芋蔓式にそうなっていた。

私は眉を顰めて考えながらスマホを弄る。

こうなったのは私のせいか?


「.....糸魚川に連絡しないと」


そう思いながら私は糸魚川の連絡先を自室で調べてからそのまま電話する。

だが糸魚川の電話はどうも電源が落ちているらしく(ご用件のある方は)になってしまった。

私は顎に手を添えて考えながら立ち上がる。

それから表に出る為に親に許可を貰おうとお父様の所に行く。


「お父さん。外に出て良い?糸魚川の所に行って来る」

「ほう?何をしに行くんだ」

「糸魚川が危ない」

「.....そうか。.....そうか。......ならば車を出そう」


予想外の反応に私は「え?」という感じになる。

それから石丸に対して車を出す様に命令した。

そして石丸が私に向いてくる。

「お嬢様。直ぐに出ましょう」と話してきた。


「.....お父様.....?」

「お友達が危ないのだろう」

「.....いや。友達って程でもないけど.....」

「.....行って来い。危険は排除するべきだ。私も.....そうしている」

「.....はい」


そして私は鞄を持ってから慌てて外に出てから飛ばす外車に揺さぶられつつ。

そのまま家を出てから糸魚川の自宅に着く。

それから.....糸魚川の家のインターフォンを押した。

だが反応がない.....まさか。もう手遅れだったのか!?

私はゾッとしながら居ると「あれ.....お前」と声がした。


「.....何をしているんだ?田中」

「あ.....糸魚川」

「.....それにメイド服の女性.....?」

「それはなんでも良い。アンタに用事があったの。.....SNSでアンタの情報が拡散されている」


そう話ながら私は糸魚川に情報を見せる。

だが糸魚川の反応は「ああ。それか」程度だった。

私は「!?」と思いながら糸魚川を見る。

すると糸魚川は苦笑しながら「アタシ達の情報は親父の手によって売られているから」と言葉を発する。


「.....田中の心配する程じゃない」

「.....でも.....」

「.....まあ取り敢えずは家に入らないか」

「え」


私は「今はそんな気分じゃない」と否定するが。

糸魚川は母親を見つつ「良いよな?母さん。ナナ」と聞く。

すると私の手をナナという妹が握ってくる。

優しく握ってきた。


「おねーちゃん。ようこそ」


と言ってくる。

私はその言葉に慌てながら石丸を見るが。

石丸は「お待ちしています。お嬢様」とだけ言って優しく見送った.....いや。

見送ってもらっては困るのだが。


「そちらのお嬢さんも」

「.....いえ。私めは.....」

「良いから入りな」

「.....ではお言葉に甘えまして」


石丸は車に鍵をかける。

そして私達は家の中に入る。

昔風の家の香りがした。


それから私は眉を顰める。

あちこちに補修した跡があったから.....。

それだけ貧乏だという事だろう。

私は複雑な顔をした。


「まあお前の家に比べりゃ大概な家だけど。安心するだろ?」

「.....そうね。.....っていうかアンタの髪.....」

「そうだな。生徒会に入る為に染めた」

「.....そう」


そして私は靴を揃えながら居間に案内される。

畳に座らされてから「お茶入れるから待ってろ」と言われる。

私はその言葉に目線だけ向けながら窓を見る。

何か.....割れていた。

これはまさか。


「.....糸魚川」

「何だ」

「アンタまさか.....」

「ああ。その窓なら転んで割れた」

「転んでって.....」

「怪我ならないぞ。頑丈だからな私は」


そういう問題じゃない。

思いながら私は額に皺を寄せる。

絶対にこれは.....割られた跡だった。

それも外側から投石を受けている。

破片が室内に少し落ちていたから.....。


「そんな心配するなって。私は.....」

「.....嘘ばっかり。.....何をされたの」

「.....田中?」

「.....」


私は黙りながら溜息を吐く。

「嘘は良くない」と呟きながら糸魚川を見る。

すると糸魚川は「アタシ達には何の被害も及んでない。.....大丈夫だ。死なない」と言い始めた。

私はその言葉に石丸を見る。


「.....石丸。警備の者を呼んで。糸魚川家に配属して」

「畏まりました。お嬢様」

「.....田中?」

「.....警察が当てにならないなら私がなんとかする」

「そこまでする必要性無いぞ。なんで」

「それが私にできる罪滅ぼしだから」


そう答えながら私は糸魚川を見る。

それから「私達はアンタに酷い事ばかりした。そして私も酷い事をした。ならばこれぐらいはさせて」と告げる。

糸魚川は「!」という感じで私を見る。


「.....」

「.....」


そう見つめあっていると糸魚川の妹が「おねーちゃん達ってライバルじゃなかったの?」と聞いてくる。

それから「お友達だったんだ!」と笑顔になる。

な.....いや。


「そういうものじゃない」

「え?違うの?おねーちゃん達ってお友達かと思ったよ?田中さんの顔を見てそう思った!」

「.....」


私は「そういうものは私は作らないから」と答える。

そして私は糸魚川を見る。

糸魚川は「でもアタシは最近はお前でも友人で良いかって思っているぞ」と話した。

私はビクッとする。


「何でそうなるのよ」

「.....アタシはお前は十分に反省している。だから知り合い以上でも良いんじゃないかって思っているから」

「.....そんなの勝手」


言いながら私は困惑する。

それから4人を見てから盛大に溜息を吐いてから外を見た。

気が狂うな.....糸魚川家と一緒だと。

私はそう考えながら目線を戻した。

そして「私はあくまで友人は作らない」と断言する。


「.....だけどそのうち考える」

「素直じゃないけどそれでも良いんじゃねーか」

「.....」


私は少しだけ笑みを浮かべる。

それからそのまま畳に腰掛けた。

そしてこの先の事を話した。

そうして得られた結論として.....暫く私の家の警備が糸魚川の家を.....しっかり守る事が決まった。

だけどこの先.....どんな脅威が来るかまるで予想ができない.....。

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