第38話 如月南乃花と田中萌葉の関連
☆(夏川康太)サイド☆
モナが生徒会に誘われていた。
俺は衝撃を受けながらだったが喜ばしい事に笑みを浮かべていた。
すると更なる衝撃は続く。
どういう衝撃か。
それは。
「.....初めまして。田中萌葉です」
「.....な.....んだと.....?」
愕然として見合う俺とモナ。
俺達のクラスに何故か田中が転校して来たのだ。
それから俺達を見据える。
クラスの全員は「え.....美少女じゃね」という感じになる。
「という事で田中の席は」
という感じで先生が「あそこはどうか」と指差すが。
その事に田中は無視してから俺の席の後ろに腰掛けた。
教員完全無視で俺を見てくる。
俺達は顔を見合わせてからヒソヒソ話す。
「よろしく。夏川くん。モナさん」
「.....お前.....いや。どういうつもりだ。マジに。よく親とかの許可が取れたな」
「.....色々と話し合って捻じ曲げたから。だからこの場所に来た。この学校で1位を取ればこの学校もそこそこの進学校。だから転校しても良いという感じ」
「マジかよ」
そんな感じで話をしていると先生が「はいはい」と手を叩いた。
それから「なら田中さんの席はそこで。.....よし。ホームルームするぞ」と切り出してくる。
俺達は田中を見てから前を見る。
そして1時間目の休み時間になる。
☆
当然だが田中は質問攻めにあっていたが。
それをウザい様な感じで切り抜けてから俺を見てくる田中。
すると最後に矢住が話しかけてきた。
矢住はニコッとしている。
「よろしく。田中さん」
「矢住だっけ。アンタ.....前会った事あったっけ?」
「一回だけ。.....でもそれはあまり話せなかった。楽しくなりそうだね」
「.....私は別に楽しむ為にここに来た訳じゃない」
「またまた。そんな事言って夏川くんに会いに来たんでしょ?」
「康太は既に吹っ切れているから。.....糸魚川のものだし」と話す田中。
するとその言葉にモナは「.....不思議なもんだなお前。朝別れた時は違うところに行ったのに」と切り出す。
俺は「そうなのか」と言った。
モナは「ああ。だって全く違う方向に行ったぞ」と答える。
「あれはどこに行っていたんだ?」
「元の学校に書類を届けに行った。ただそれだけ」
「そうか」
「そう。気にする程の事じゃない」
そんな会話をしていると矢住が「ねえねえ。4人でご飯食べようよ。後で」と切り出してくる。
俺は「いや。そういうのは田中は苦手だぞ」と矢住に向く。
矢住は「そっか」と回答したが。
そんな言葉に田中は顎に手を添える。
「.....別に構わない」
「.....え?!」
「.....お前.....珍しいな!?」
「じゃあ決定だね。みんなでご飯だよ」
俺とモナは顔を見合わせる。
それから田中を見た。
田中は俺達を見ながら眉を顰めて「何」と不愉快そうに呟く。
俺は「いや。お前にしては珍しいな」と回答する。
すると田中は少しだけ笑みを浮かべてから横を見る。
「別に。心変わり」
「.....そうかよ」
「.....まさかこのクラスに配属されるとは思わなかったけど」
「.....」
田中は横を見ながらそう回答する。
すると教室のドアが2回ノックされる。
(律儀だなノックとか)と思っていると如月が入って来た。
「失礼します」と言いながら。
それから「糸魚川モナさんは居ますか」と言ってくる。
モナは「げ」という感じで反応した。
「あ.....結局どうかな?生徒会の件は」
「.....ああ.....いや。.....まだもう少し考えたい。良いか」
「.....?.....アンタ生徒会に入るの?糸魚川」
「まさか。.....だけど誘われていてな」
田中が不思議そうな顔をする。
すると如月が「貴方.....」と目を丸くする。
田中はその顔にハッとして少しだけ複雑な顔をした。
(何だ?)と思っていると如月が「久々だね。田中さん」と切り出す。
「え?知り合いかお前ら」
「うん。こんな場所で再会するなんて。.....一応知り合いだね。.....田中さんは同級生だった人だよ。私の中学校の時の」
「余計な事を話さなくて良いから」
如月に対して田中はそう言いながら目線を横に向ける。
俺は「如月。田中は.....どういう生徒だった」と聞く。
実は田中と知り合うのは俺は.....如月より後だ。
だから聞きたかった。
「.....そうだね。.....田中さん。話しても良いかな」
「そのうちバレると思うし」
「.....そっか。.....実は田中さんは中学生の時に転校するまで私の学校の生徒会長だったよ」
「.....な!?」
初耳だわ。
俺達は唖然としながら田中を見る。
田中はまるで気にならないというか。
肩書きなんてどうでも良い的な感じをしていた。
「それも鳳凰女子学園のね」
「.....あのお嬢様学校のか?そんな.....全国模試の総合成績で常に100位圏内じゃないと居られない中学だろ。主席だったらIQが150以上の凄まじい.....」
「.....そうだね」
「待って待って。それは何で黙っていたの?」
「.....話す義理もない」
矢住は驚きながら田中を見る。
田中は興味無さげな返事をした。
俺とモナはその反応に顔をまた見合わせてから「何で転校した」と聞いた。
すると田中は「飽きたから」と回答する。
「衝撃的な内容だね。それは知らなかった」
「.....如月。もう良いから。.....貴方は今は何をしているの」
「私は今この学校で生徒会長だよ。.....貴方に教わったから」
「.....」
おい。教わったとはどういう事だ。
思いながら目線だけ向ける田中を見る。
田中は「何でも良いでしょそれは.....」と説明をしたくない感じを見せた。
それからチャイムが鳴る。
「あ!いけない!戻らないと!」
大慌てになる如月。
それから「モナさん。田中さん。矢住さん。それから.....夏川くん。またね」と去って行った。
俺達はその姿を見送ってから田中を見る。
田中は視線を外しながら外だけ見る感じを見せた。
全てに興味無さげな感じを見せる。
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